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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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スペイン北部【サンティアゴ】聖地巡礼の道を行く

キリスト教3大聖地のひとつ、サンティアゴをめざす巡礼路は、信者だけではなく、すべての人に開かれた道。「星の道」に導かれ、心身を浄化する旅へでかけよう。

巡礼の道を行く Camino de Santiago

聖地サンティアゴをめざして
メインルートは約800㎞のフランスの道。フランスの道のほかにもポルトガル、北、銀の道などいくつかのルートがあるが、それぞれ聖地サンティアゴをめざして歩く。

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スペインの美しく雄大な景色のなかを歩く。歴史を感じるほたて貝の古風な道標と黄色い矢印が、道のあちこちで見られる

聖ヤコブが眠る聖地

キリスト12使徒のひとり、聖ヤコブは、キリスト教拡大を恐れたユダヤ王によって斬首される。彼の弟子たちは星の導きのもとサンティアゴへと遺骸を運び出した。それから800年後、サンティアゴの地でヤコブの墓が発見され、多くの巡礼者が訪れるようになった。歴史は受け継がれ、現在でも巡礼者は巡礼のあかしであるほたて貝を身につけ、杖を片手に徒歩で聖地をめざす。

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貝とヒョウタンが付いた巡礼者用の杖

サンティアゴ巡礼とは

聖地サンティアゴをめざす旅のこと。キリスト教3大聖地のひとつ、サンティアゴへの巡礼は中世から始まり、最盛期には年間50万人が歩いた。当時は命がけの旅だったが、現在は道も整備され、世界中から巡礼者が集まる。「すべての罪は赦され新しく生まれ変わる」という教えに基づいた、心身を浄化し、再生するための巡礼は昔も今も変わらない。

ほたて貝を目印に歩く

巡礼路の道標には、ほたて貝が描かれている。ほたて貝は巡礼者のシンボルで精神の浄化を表す。「海に落ちた騎士がヤコブに助けを求めると体に貝がびっしりついて浮き上がった…」などという伝説に基づく。また、中世当時は巡礼者がお皿の代わりとして使用した。

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巡礼者用の宿はほたて貝の絵入りの看板を掲げている

巡礼案内

巡礼路は、キリスト教信者のためのもの?
信仰や贖罪のためだけでなく、現在は観光、目標達成、健康のため、文化に触れることを求めて歩く人も多い。気軽にチャレンジを。

まずは巡礼手帳を手に入れよう
巡礼手帳(クレデンシャル)は必須。観光案内所、アルベルゲ、教区教会で入手できる(€3前後)。歩くときは、リュックに着替えや寝袋など最低限の荷物で。

巡礼手帳(クレデンシャル)
これを持つと巡礼者と認められ、巡礼宿に宿泊でき、博物館や美術館などの入場料も割引になる。宿やバル、教会などにある日付入りのスタンプを押すことにより巡礼の証明となる。証明書をもらうときにも必要。

アルベルゲ
巡礼宿のこと。宿の設備はユースホステルのようなもので、公営と私営があり、公営の料金は寄付または€10程度。泊まると巡礼手帳にスタンプが押される。

聖ヤコブ大祭年(シャコベオ)
聖ヤコブの誕生日7月25日が日曜日にあたる年のこと。大祭年は6、5、6、11年の周期で、次は2021年。この年にサンティアゴ大聖堂でミサに参列し、聖体を拝受することで原罪が赦されるという言い伝えがある。

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これが巡礼手帳

巡礼ルート途上のおもな街

ブルゴス Burgos

中世の英雄エル・シドが埋葬されている街
サンティアゴ巡礼の重要な中継地点であり、街の中心のカテドラルは世界遺産。英雄エル・シドの生誕地で、その功績を讃えた像が街の随所にある。

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レオン León

サンティアゴ巡礼の主要な拠点都市
精巧なステンドグラスで有名なカテドラルなど、歴史的に重要な建造物が点在し、巡礼者が行き交う街。街の見どころは徒歩でめぐることができ、とくに夜の光景が美しい。

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カテドラルのステンドグラスは一見の価値あり

サンティアゴ·デ·コンポステーラ Santiago de Compostela

長い巡礼路を歩んだ先に人々は魂の浄化を感じる
巡礼者は再生を求め、聖ヤコブの眠る大聖堂をめざす。その人々の魂が浄化され、赦される場所がサンティアゴ・デ·コンポステーラ。巡礼者たちの思いがあふれるこの地に足を踏み入れると、神聖で温かく包み込まれた心持ちになると人々は言う。それは最も神に近い場所だからかもしれない。

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カテドラルの尖塔が見えれば、長い道のりのゴールはもう目の前

アクセス

マドリードから飛行機で約1時間10分。
マドリードのChamartínチャマルティン駅からALVIAで約5時間40分。1日2〜3便。

街の歩き方

ガリシア州の州都であり、世界遺産のこの街は、神聖なカテドラルから中世の雰囲気漂う旧市街の街並み、豊富で新鮮な魚介まで楽しみはたくさん。まずは中心のカテドラルやパラドールを眺めたあとは裏側のキンターナ広場から歴史的建造物が並ぶ旧市街へ。ビラール通りにはみやげ物店が建ち並ぶ。徒歩で3時間もあればまわることができるが、カテドラル前広場からは旧市街周辺を約45分かけてめぐる観光トレインもある。

観光案内所

Rúa do Vilar 63
981-555129
9:00〜21:00(11〜4月の月〜金曜は〜19:00)、11〜4月の土・日曜、祝日は9:00〜14:00、16:00〜19:00
無休

カテドラル Catedral

世界中の巡礼者たちが聖ヤコブに祈りを捧げる場所
9世紀にアルフォンソ2世によって建造され、一度破壊されたが、11〜12世紀にかけて再建された。

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街の中心にそびえ立つ大聖堂は圧巻。夜のライトアップも幻想的で見ごたえあり

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栄光の門。中央の柱は巡礼者が触るためすり減っている

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天井から下げたボタフメイロ(大香炉)を揺らす儀式は、大祭年には毎日実施

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地下聖堂に納められている聖ヤコブの棺

カテドラル(サンティアゴ)

現地名:
Catedral
住所:
Pl. del Obradoiro
地図を見る »
アクセス:
ガリシア広場から徒歩10分
TEL:
902-557812
営業時間:
7:00~20:30※ミサや特別行事で拝観できないことあり、博物館は9:00~20:00(11~3月は10:00~)
定休日:
無休 

巡礼証明書をもらおう

カテドラルで祈りを捧げたあとは、巡礼証明書(コンポステーラ)をもらいに巡礼事務所へ。サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの最後の100㎞を徒歩か馬、200㎞を自転車で巡礼すると証明書がもらえる。

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カテドラル近くにある巡礼事務所の入口

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証明書の発行は最終的に事務所の判断。いくつか決まり事があるので事前に確認を。重みのある一枚を手にしたときの感動はひとしお

ガリシア地方のグルメを堪能

サンティアゴ・デ・コンポステーラがあるガリシア地方は大西洋に面し、リアス式海岸が連なるため漁業が盛ん。 新鮮な魚介のほか、ワインや伝統菓子などおいしいものがいっぱい。

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タコをオリーブオイルと塩、パプリカでさっぱりと味付けしたガリシア名物

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タルタ・デ・サンティアゴ。「聖ヤコブのケーキ」という意味

巡礼グッズをおみやげに

ビラール通りのみやげ物店には、巡礼グッズがいっぱい!

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道標とほたて貝マークのマグネット

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ほたて貝の形のチョコレート

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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年7〜9月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので現在取り扱っていない可能性があります。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。