2017年12月24日

パリ

【パリの建築史】覇権者が築いた美しい都

by Fish & Tips

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世界中の人々を魅了してきた街、パリ。建築の世界でもさまざまな時代の傑作建築物がこの街の多彩な魅力をつくっている。

古代〜ロマネスク建築 —— 1世紀末〜12世紀

紀元前8世紀から紀元後4世紀まで、ローマ人の支配地域での建築を古代ローマ建築と呼ぶ。その後、キリスト教会堂を主役としてロマネスクの時代となる。

古代ローマ時代の建造物

パリの前身であるルテシアは、カエサルによるガリア(現在のフランスからベルギーにかけての一帯)制圧によって、ローマ軍の拠点とされた都市のうちのひとつだ。おもにサント・ジュヌヴィエーヴの丘周辺に北ガリアの拠点としての都市が築かれた。

このローマ支配下だった頃の建築物で、現存するものは2つある。中世美術館の裏側にひっそりと建つ公共浴場と、モンジュ通りから建物をくぐると開けるリュテス闘技場の遺構だ。

公共浴場は比較的良い保存状態で残っている。紀元200年頃に造られたといわれ、天井の交差ヴォールトの構造も確認できる。アーチの柱頭を飾る彫刻から、水運に関係のある人々によって建設されたといわれている。

リュテス闘技場は2世紀末の建設とされ、剣闘の試合場、劇場として使われていた。現在は、子供たちの良い遊び場になっているが、東側にある壇がステージだった。雨水は排水管によって流されるようになっていた。

リュテス闘技場跡

1860年、オスマンによるパリ大改造のときに見つかった遺跡。直径約46m、1万7000人を収容する劇場だ。

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リュテス闘技場跡

現地名:
Les Arénes de Lutéce
アクセス:
メトロ10号線 Cardinal Lemoineカルディナル・ルモワヌ駅から徒歩3分

ロマネスク様式

11世紀、西ヨーロッパにおいてキリスト教の教会建築として発展した様式。石造りでどっしりとした、素朴な外観が特徴だ。壁面全体で構造を支えているため、窓を大きくとることができず、内部は薄暗い。石を用いた建築は当時の最先端の技術を駆使していた。とくに石やレンガで造ったアーチを連続させたり、回転させて造る円形の天井をヴォールトといい、半円筒形に石材を組んだトンネル・ヴォールトや、それを直交させた交差ヴォールトなど、多くの技術が発展した。

内部はフレスコ画や彫刻を施した柱頭などで飾られている。入口の壁面や柱には宗教的な題材の彫刻が彫られることも多い。

パリに残るロマネスク建築で代表的なのは、サン・ジェルマン・デ・プレ教会。ロマネスクの特徴である放射状祭室が採用されている。幾度となく改修工事を施されているが、内陣の円柱群と鐘楼はロマネスク様式のものだ。

サン・ジェルマン・デ・プレ教会

パリでは最も初期の教会。大理石とモザイク、金箔が貼られたブロンズの装飾で知られた。

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サン・ジェルマン・デ・プレ教会

現地名:
Église St-Germain des Prés
住所:
Pl. St-Germain des Prés, 6e
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アクセス:
メトロ4号線Saint-Germain-des-Présサン・ジェルマン・デ・プレ駅からすぐ
TEL:
01-55-42-81-10
営業時間:
8:00~20:00※宗教的行事中は入館不可
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.eglise-sgp.org

サン・ピエール教会

モンマルトル女子大修道院の礼拝堂として12世紀末に建立。以後修復を重ねて現在の姿に。建物の正面は18世紀のもの。

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サン・ピエール教会

現地名:
Église St-Pierre(パリ)
住所:
2 Rue du Mont-Cenis, 18e
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アクセス:
メトロ12号線Abbessesアベス駅から徒歩8分
TEL:
01-46-06-57-63
営業時間:
8:45~19:00(礼拝中は見学不可)
定休日:
無休 

ゴシック〜ルネサンス建築 —— 13〜16世紀

12世紀後半、北フランスで熱く支持されたゴシック建築は国中に広まる。1495~1525年の間、フランスはイタリア侵攻を通じてルネサンス文化に触れる。

ゴシック様式

ゴシック建築の主役は大聖堂。ロマネスクのどっしりとした風貌から変化し、尖塔が天へ伸びる垂直性が強調された骨組、光のある空間を実現するための飛び梁や控え梁などが開発された。これらが壁や梁にかかる負担を減らし、脇から支えたので、天井は高くなり、壁はステンドグラスに置き換わり、内部に大きく光を採り込むことができるようになった。多彩な光に満ちた空間は、民衆に神の存在を感覚的に理解させるのに十分な荘厳さを持っていた。

フランスのゴシック様式は、初期、古典、レヨナン芸術、フランボワイヤン芸術と展開する。

初期ゴシックはパリのノートル・ダム大聖堂が有名だ。パリを中心とする北フランスで生まれ、完成されたゴシックは古典期(1190~1220年)を通じて各地に伝えられていく。レヨナン芸術期(1230~1360年)の建築、サント・シャペルの見事なステンドグラスも、この時期ならではの造形だ。

ノートル・ダム大聖堂

1163年の着工から約200年の歳月をかけて完成したゴシック建築の大聖堂。名は「われらの貴婦人」で、聖マリアを指す。

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ノートル・ダム大聖堂

現地名:
Cathédrale Notre-Dame de Paris(パリ)
住所:
6 Pl. du Parvis de Notre-Dame, 4e
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アクセス:
メトロ4号線 Cité シテ駅から徒歩3分
TEL:
01-42-34-56-10
営業時間:
8:00~18:00(土・日曜は~18:30)、クリプト10:00~17:15、塔10:00~17:45(7・8月の金・土曜は~22:15、10~3月は~16:45)、閉場は各45分後
定休日:
クリプト月曜・祝日、塔は1/1、5/1、12/25、宗教行事のある日は入場不可 
Webサイト:
http://www.notredamedeparis.fr

サント・シャペル

建築家ピエール・ド・モントルイユが1248年に建設した教会。『創世記』など約1100に及ぶ聖書の物語が描かれたパリ最古のステンドグラスが圧倒的。

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サント・シャペル

現地名:
Sainte-Chapelle
住所:
8 Bd. Du Palais, 1er
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アクセス:
メトロ4号線Citéシテ駅からすぐ
TEL:
01-53-40-60-80
営業時間:
9:30~12:30、14:15~17:30、7・8月9:30~17:30(水曜は9:30~12:15、14:15~20:30)、11~2月9:00~12:30、14:15~16:30(土・日曜は9:00~16:30)、閉場は各30分後
定休日:
1/1、5/1、12/25 
Webサイト:
http://sainte-chapelle.monuments-nationaux.fr

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トラベルデイズ パリ

  • 発売日:2012年07月02日

筆者 : Fish & Tips

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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載している情報は、2016年5〜7月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。