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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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パリ散歩【モンパルナス】ビルの影にエコール・ド・パリを思う

ランドマークはトゥール・モンパルナスにモンパルナス墓地。国鉄駅を中心に広がる繁華街から歩き始め、かつて芸術家たちが華やかに時代を飾ったその面影を探しにいく。

芸術家たちが集ったカフェにくつろぐ

トゥール・モンパルナスは、なんということのない高層ビルなのではあるが、高層建築が少ないパリではかえって異色な建物に映る。56階と59階にある展望台から、まずはパリの街の全貌を見渡してから、街歩きを始めてみるのもいいかもしれない。

トゥール・モンパルナスの南にはモンパルナス駅がある。おもにブルターニュ方面駅への列車が発着するターミナルだ。そのため、この周辺にはブルターニュ風のクレープリーや書店などが多いことでも知られている。

さて、モンパルナスといえば、やはり1920年代を中心とした狂乱のエコール・ド・パリの時代を思わないわけにはいかない。表現の可能性を求めて、モディリアーニやシャガール、ピカソ、藤田嗣治といった外国人画家たちがパリに拠点を移し、モンパルナスに集って芸術談議を交わした時代。芸術家たちはここで、お互いを刺激し合い、新しい表現を模索し、生み出していったのだ。ストラヴィンスキー、サティらの音楽家たちの姿もまたそのなかにあった。そうした芸術家たちの溜まり場だったのが、今も残るル・ドームル・セレクトラ・クーポールラ・ロトンドの4軒のカフェだ。

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このエリアのランドマークであるトゥール・モンパルナスはどこにいても見える

モンパルナス墓地からカタコンブへ

ヴァヴァン駅から南にラスパイユ大通りを進み、モンパルナス墓地を背にして、カンパーニュ・プルミエール通りへ。この小さな通りはかつて芸術家たちが多く住んでいたところで、またゴダールの映画『勝手にしやがれ』のラストシーンが撮影された通りでもある。モンパルナス大通りからフレスコ画が美しいヴァル・ド・グラースへ向かい、さらにパリ天文台カタコンブへ。この地下墓地はなぜか人気で、いつでも入場を待つ長蛇の列ができている。

街歩きコース 移動時間 約45分

START M 4・6・12・13号線 モンパルナス・ビアンヴニュ駅
↓ 1分
トゥール・モンパルナス
↓ 25分
ヴァル・ド・グラース
↓ 15分
カタコンブ
↓ 1分
GOAL M 4・6号線 ダンフェール・ロシュロー駅

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トゥール・モンパルナス Tour Montparnasse
1973年に建設された、パリでは珍しい超高層ビル。街並を見渡せる。

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ヴァル・ド・グラース Val de Grâce
古典的なフランスのバロック建築の大修道院。広場前の教会に立ち寄り、丸天井のフレスコ画を鑑賞したい。

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カタコンブ Catacombes
600万体もの遺骨が積み重ねられている地下墓所。

交通(地下鉄)

④⑥⑫⑬ モンパルナス・ビアンヴニュ
Montparnasse Bienvenüe 駅
④ ヴァヴァン Vavin 駅
⑥ エドガー・キネ Edgar Quinet 駅
④⑥ ラスパイユ Raspail 駅
④⑥ ダンフェール・ロシュロー Denfert Rochereau 駅
⑬ ゲテ Gaîté 駅

トゥール・モンパルナス Tour Montparnasse

フランスで最も高いオフィスビル
1973年建設のモンパルナスの中心にそびえるビル。モディリアーニやシャガールが集ったかつての雰囲気とは一線を画す近代的な建物だが、56階と最上階の59階にある展望台からの眺めは最高。56階にはレストランもある。

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天気が良い日は、40km先まで見渡せる

トゥール・モンパルナス

現地名:
Tour Montparnasse
住所:
33 Av. du Maine, 15e
地図を見る »
アクセス:
メトロ4・6・12・13号線Montparnasse Bienvenüeモンパルナス・ビアンヴニュ駅からすぐ
TEL:
01-45-38-52-56
営業時間:
9:30~23:00(10~3月22:00、金・土曜、祝前日は~22:30、閉場は各30分後)
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.tourmontparnasse56.com

ヴァル・ド・グラース Val de Grâce

バロック建築の天井画が印象的
ルイ13世の妻アンが建設した修道院。内部には、バロック様式に特有の、天蓋を支える大理石のねじり柱や、ダイナミックなフレスコ画が見られる。

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200人以上の人物が天井に描かれたフレスコ画

ヴァル・ド・グラース

現地名:
Val de Grâce
住所:
1 Pl. Alphonse Laveran, 5e
地図を見る »
アクセス:
メトロ6号線 Saint-Jacques サン・ジャック駅から徒歩11分
TEL:
01-40-51-51-92
営業時間:
12:00~18:00
定休日:
月・金曜 祝日の場合は開館
Webサイト:
http://www.valdegrace.org

パリ天文台 Observatoire de Paris

現在も活躍する17世紀建立の天文台
1672年に完成、現在も稼働している。経度計測や海王星の発見など、重要な天文学の研究がなされてきた。フランスでは1911年まで、ここの中心を子午線としていた。

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四方の壁は、正確に東西南北を向いている

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Fontaine de l'Observatoire, by size4riggerboots, CC BY-ND

天文台から北に500mのところにある噴水

パリ天文台

現地名:
Observatoire de Paris
住所:
61 Av. Observatoire, 14e
地図を見る »
アクセス:
メトロ4・6号線 Denfert Rochereau ダンフェール・ロシュローから徒歩4分
TEL:
01-40-51-22-21
営業時間:
外観は見学自由
Webサイト:
http://www.obspm.fr

パリの地下道 Sous-sol de Paris

パリでは、19世紀までの長い間、建築用の採石が地下で行なわれており、迷路のように入り組んだ坑道が街の地下をめぐっている。かつては『レ・ミゼラブル』の小説にも登場し、戦争中は隠れ家になったこともあった。現在は、ほとんどが立ち入り禁止。

カタコンブ Catacombes

ローマ時代の採石場跡を利用した地下墓地。地下20mにある通路の両脇に、600万体もの遺骨が積み重ねられている。

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1780年代に、無縁仏などがこの地に移された

カタコンブ

現地名:
Catacombes
住所:
1 Pl. Denfert-Rochereau, 14e
地図を見る »
アクセス:
メトロ4・6号線Denfert Rochereauダンフェール・ロシュロー駅から徒歩3分
TEL:
01-43-22-47-63
営業時間:
10:00~20:00(冬季は~16:30、閉場は各30分後)
定休日:
月曜、祝日 
Webサイト:
http://www.catacombes.paris.fr
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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ パリ」です。掲載している情報は、2016年5〜7月にかけての取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。 最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。