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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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【上海+α観光】杭州で名画のような景色に感動!

雄大な西湖に抱かれた景勝地。歴史情緒あふれる繁華街での街歩きや良質な龍井茶も楽しみたい。

西湖とともに歴史をはぐくんできた大都市 杭州 ハンヂョウ/Hangzhou

中国の文化・学問がひときわ隆盛を誇った13世紀、南宋の首都として世界最大の都市を築いた古都。当時は「臨安」と呼ばれ、マルコ・ポーロによって「世界で最も美しく華やかな街」と讃えられた。とくに景勝地・西湖周辺は風光明媚な庭園や寺院が数多く残され、2011年には世界遺産に登録された。また、中国を代表する茶葉のひとつ「龍井茶」の産地としても名高く、豊かな自然にはぐくまれた郷土料理も多い。

世界遺産「西湖十景」とは?
西湖周辺の寺院や庭園など、とくに美しい10か所の景観スポットについて、漢字4文字で表したもの。南宋時代に宮廷画家たちが山水画のテーマとして名付けたのが始まりで、いずれも深い歴史を持つ名跡。10か所すべてめぐれば、西湖の魅力を余すことなく堪能できるだろう。タクシーや遊覧船を使い、効率良くまわりたい。

ACCESS
●電車で
上海虹橋駅から杭州駅まで約50分(高速鉄道)~1時間20分。1日約50本運行、52元〜。上海駅からは1日5便運行、93元〜。座席のランクによって料金は異なる。杭州南駅行の便もあるが、西湖などおもな観光地からは遠いので注意。
●バスで
上海長距離バス総合ターミナル、上海長距離バス南ターミナルから、杭州東バスターミナルまで約2時間〜2時間30分。
上海浦東国際空港から西湖の北約2kmの黄龍観光振興センタ−までは約3時間。

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水墨画のような10の絶景 世界遺産 西湖十景

西湖周辺に点在する景勝・西湖十景。漢詩の世界に浸りながら、その多彩な表情を追っていこう。

おすすめルート 所要:約8時間
START 杭州駅 9:00
バス15分 ↓ K7路のバスで断橋下車
1 断橋残雪 9:15
徒歩15分 ↓ 唐代の白居易が築いた全長1㎞の白堤を歩く
2 平湖秋月 9:45
徒歩10分,バス10分 ↓ 岳廟まで歩き、そこから27路のバスで洪春橋下車すぐ
3 双峰挿雲 10:30
徒歩25分 ↓ 西湖に向かって東に歩く
4 曲院風荷 11:00
徒歩10分 ↓ 蘇堤の北側をのんびり歩こう
5 蘇堤春暁 11:30
徒歩10分 ↓ 岳廟前から遊覧船に乗る
6 三潭印月 12:30
船15分 ↓ 湖浜公園方面の船と乗り間違えないよう注意!
7 花港観魚 13:30
徒歩20分 ↓ 再び蘇堤の南側を歩き、南山路に出たら左へ
8 雷峰夕照(雷峰塔) 14:30
徒歩5分 ↓ 南山路を渡って浄慈寺へと移動
9 南屏晩鐘 15:15
バス15分 ↓ 浄慈寺からY2路のバスに乗り柳浪聞鶯下車すぐ
10 柳浪聞鶯 16:00
徒歩1分 ↓ Y2路のバスで終点・城站火車站下車すぐ
GOAL 杭州駅 17:00

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1 美しいカーブを描くアーチ橋 断橋残雪 ドワンチャオツァンシュエ断桥残雪

冬に橋の上に雪が降り積もったあと、太陽に照らされるとアーチ部分の雪が溶け、まるで橋が途中で切れているように見えるといわれる。

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全長約1㎞の遊歩道「白堤」の北側に位置し、散策する旅行者で賑わう

断橋残雪

現地名:
断桥残雪

2 湖のほとりで名月を観賞 平湖秋月 ピンフウチウユエ平湖秋月

中秋の名月を観賞するのに最適といわれる。付近には湖面を一望できる楼閣が建ち、茶館で中国茶を楽しみながら景色を眺めることができる。

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豊かな水量をたたえた西湖のほとりにたたずむ。夕暮れから夜にかけてがベスト

平湖秋月

現地名:
平湖秋月

3 名山の峰にかかる白い浮雲  双峰挿雲 シュアンフォンチャーユン双峰插云

仏教の名山「南高峰」と「北高峰」の2つの山の峰に雲がかかると、山水画のように美しい。西湖に浮かぶ島「湖心亭」から全体を一望できる。

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現在、双峰挿雲の碑が立つ場所からは、樹木などに隠れて山を見ることができない

双峰挿雲

現地名:
双峰插云

4 池に蓮の花広がる緑の庭園 曲院風荷 チュウユエンフォンフー曲院风荷

南宋時代に宮廷用の酒が造られていた場所で、現在は32万㎡に及ぶ巨大な公園として整備されている。初夏には池に無数の蓮の花が咲き誇る。

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庭園内の池には無数の蓮の葉。晩秋~冬にかけては見られないので要注意

曲院風荷

現地名:
曲院风荷

5 著名な詩人が築いた堤防 蘇堤春暁 スウディーチュンシャオ/苏堤春晓

西湖の南北にかかる全長2.8㎞の堤防。北宋の詩人・蘇軾が杭州に知事として赴任した際に築かれた。早春の朝焼けを観賞するのがベスト。

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晴れた日には西湖だけでなく杭州の街並みまで一望でき、見晴らしが良い

蘇堤春暁

現地名:
苏堤春晓

6 西湖に浮かぶ人工島の庭園 三潭印月 サンタンインユエ/三潭印月

三潭印月は西湖に浮かぶ人工島またはその島からの景観のことを指す。島の南側の湖面に立つ3本の石塔を三潭といい、月夜の晩はとくに絶景とされる。

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島内の池の上にはジグザグの橋げた(九曲橋)が設けられ、独特の景観を楽しめる

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石塔(三潭)前の見晴らし台。壁をくりぬいたような入口が趣深い

三潭印月

現地名:
三潭印月

7 錦鯉やボタン、紅葉とともに観賞 花港観魚 ホアガングワンユィー/花港观鱼

21.3haに及ぶ広大な庭園で、園内の「紅魚池」には色とりどりの鯉が放流されている。ボタンの花の名所としても知られる。

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秋には赤や黄色に染まった紅葉とともに、悠々と泳ぐ鯉の群れを観賞できる

花港観魚

現地名:
花港观鱼

8 高台にそびえる千年の仏塔 雷峰夕照(雷峰塔) レイフォンシーヂャオ(レイフォンター)/雷峰夕照(雷峰塔)

北宋時代の977年に創建された高さ71.7mの仏塔で、夕日に映る姿がとくに絶景とされる。近くの「夕影亭」からは西湖とともに観賞できる。

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塔は7層構造で、エレベーターで上まで昇れる

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夕日に照らされ、湖面に塔の姿がゆらゆらとなびく

雷峰夕照(雷峰塔)

現地名:
雷峰夕照(雷峰塔)

9 西湖に響く古刹の鐘の音 南屏晩鐘 ナンビンワンヂョン/南屏晚钟

南塀山の麓にある浄慈寺の鐘の音を聞きながら眺める夕景のことを指す。参拝者が自分で鐘をつくこともできるが、17時閉門なのでお早めに。

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寺院中央の広場では大量の線香が焚かれ、一般の参拝客も集まる

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日本の曹洞宗の開祖・道元の師である如浄禅師の墓所がある寺

南屏晩鐘

現地名:
南屏晚钟

10 緑あふれる大型公園を散策 柳浪聞鶯 リウランウェンイン/柳浪闻莺

前身は南宋時代の宮廷庭園で、現在は21haの大型公園として整備されている。園内に植えられた柳の枝に止まるウグイスが景観に華を添える。

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西湖沿いの遊歩道に無数の柳の木が植えられ、家族連れなどが思い思いに散策

柳浪聞鶯

現地名:
柳浪闻莺

乗物info

観光電動自動車 グワングアンディエンドンツードンチョー观光电动自动车

一周15㎞の西湖を徒歩で観光するのは厳しい。そんなとき便利なのが湖畔を走る観光電動自動車。手を挙げれば止まってくれ、路線途中で降りるのも自由。徒歩と併せて利用すれば効率的にまわれる。一周が4区間に分かれており、1区間10元程度〜。

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遊覧船 ヨウランチュワン 遊览船

三潭印月へ行くには、遊覧船を利用することになる。乗場は湖畔各所にあり、料金は島への入場料込みで55元。ほかに手漕ぎ舟もある。

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歴史の足跡に思いを馳せる 史跡&名所巡り

中国史に幾度もその名を刻んできた杭州には、物語を秘めた古跡が多く残っている。

歴史的英雄を祀った岳飛廟 岳王廟 ユエワンミャオ/岳王庙

南宋の名将・岳飛が祀られている。敷地内には「岳飛の墓」や「岳飛記念館」が設けられ、歴史的文物も展示。歴史的英雄への理解が深まる。

岳飛 ユエフェイ(がくひ)1103~1141年
南宋の名将・岳飛は、北方から攻め込んできた金との徹底抗戦を主張したが、金との和睦を主張する秦檜によって無実の罪を着せられ獄死。死後、名誉を回復され、民族的英雄と評価されている。

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800年以上の歴史をもつ伝統的な建築様式の外観は、堂々とした風格がある

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秦檜らは売国奴とされ、銅像には「タンを吐きかけるな」と注意書きが掲げられている

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繰り返し修築されてきた岳飛像は、色鮮やかで新しい状態に保たれている。周囲には「精忠報国」という岳飛の背中に入れ墨で書かれていたとされる文字板が掲げられ、人々の敬意の深さを感じさせる

岳王廟

現地名:
岳王庙
住所:
北山路80号
アクセス:
杭州駅からK7路またはY2路のバスで30分、岳廟下車すぐ
TEL:
0571-8798-6653
営業時間:
7:30~17:30(夏季は~20:00)

緑豊かな植物園内の名泉 玉泉 ユィーチュエン/玉泉

植物園内の鯉が泳ぐ石造りの泉で、杭州の三大名泉のひとつ。植物園内は緑豊かな自然が広がり、敷地内の茶館で龍井茶なども味わえる。

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玉泉は泉というより巨大な池のよう。色とりどりの鯉が泳ぎ、目を楽しませてくれる

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魚や龍など独特な形状に刈られた植木

玉泉

現地名:
玉泉
住所:
桃源岭1号杭州植物園内(北門側)
アクセス:
杭州駅からK7路のバスで約30分、玉泉下車すぐ
TEL:
0571-8797-5207

1600年の歴史をもつ名跡 霊隠寺 リンインスー/灵隐寺

南北朝時代の326年、インドの高僧・慧理によって創建され、10世紀半ばに全盛期を迎えた。約380体の石刻像に注目したい。

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清代に修築された大雄宝殿

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日本でも七福神の「布袋様」で知られる布袋弥勒仏。寺院内の代表作のひとつ

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渓流沿いの石像群から重厚な歴史を感じる

霊隠寺

現地名:
灵隐寺
住所:
霊隠路法雲弄1号
アクセス:
杭州駅からY2路のバスで約40分、霊隠寺下車すぐ
TEL:
0571-8796-8665
営業時間:
7:00~17:30 冬季7:30~17:00

風流な庭園と篆刻芸術を鑑賞 西泠印社 シーリンインショー/西泠印社

孤山の麓に江南様式の庭園が広がる。園内に点在する楼閣や塔は、篆刻の研究施設・西泠印社の建物。所蔵する石刻や書も見学できる。

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白居易も訪れたという美しい庭園があり、ギャラリーの見学もできる

西泠印社

現地名:
西泠印社
住所:
孤山路31号
アクセス:
杭州駅から車で約30分
TEL:
0571-8799-8665
営業時間:
6:00~18:30 冬季6:30~17:30

銭塘江の氾濫を鎮める古塔 六和塔 リウーフーター/六和塔

北宋時代の970年、銭塘江という川の氾濫を鎮める目的で建築された。清代に外部が増築されたため、外観は13層だが内部は7層の不思議な構造。

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高さ約60m。内部は急な階段が続き、上まで上り切る頃には息が切れそう

六和塔

現地名:
六和塔
住所:
之江路16号
アクセス:
杭州駅から車で約30分
TEL:
0571-8659-1401
営業時間:
6:00~18:30 冬季6:30~17:30
定休日:
無休 

お茶と相性抜群の杭州自慢の名泉 虎跑泉 フウパオチュエン/虎跑泉

鎮江の中冷泉、無錫の恵泉に次ぐ第三の名泉といわれる泉。唐代創建の虎跑寺の境内に位置し、石英砂岩から湧く水はミネラル豊富だ。

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仙人が2頭の虎に掘らせたという唐代の伝説から名付けられたという

虎跑泉

現地名:
虎跑泉
住所:
虎跑泉路39号
アクセス:
杭州駅から車で25分
TEL:
0571-8798-1900
営業時間:
6:00~18:30(冬季は~17:30)

小さな滝の残る寺院跡地 黄龍洞 ホアンロンドン/黄龙洞

南宋時代、江西省黄龍山の慧開和尚が杭州に来た際、この地に庵を建てたことが起源といわれる。当時の寺院は文革で破壊され、跡地が残されている。

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敷地は広く、散策する人々で賑わう

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緑に囲まれた小滝「黄龍吐翠」は新西湖十景のひとつで、石の足場を歩いて鑑賞する

黄龍洞

現地名:
黄龙洞
住所:
曙光路69号
アクセス:
杭州駅からK21路のバスで30分、黄龍体育中心下車すぐ
TEL:
0571-8798-5860
営業時間:
7:30~18:00

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷる上海 蘇州」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2017年6〜8月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。また、掲載の商品は取材時のもので、現在取り扱っていない可能性があります。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。