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Uluru Sunset, by ernieski, CC BY-ND

まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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オーストラリア 絶対見たい!エアーズロック(ウルル-カタジュタ国立公園)

オーストラリアの北部から中央に位置するノーザン・テリトリーでは、雄大な自然とアボリジナル文化に触れられる。世界遺産の驚異の絶景を目のあたりにする。

荒涼とした大地にたたずむアボリジナルの聖地 ウルル-カタジュタ国立公園 Uluru - Kata Tjuta National Park

アボリジナルが聖地とあがめる巨岩と奇岩群
オーストラリア大陸の中央部に位置する荒涼とした砂漠の中に、突如として出現する巨大な岩。アボリジナルが「ウルル」と呼ぶ、世界最大級の一枚岩、エアーズ・ロックだ。そこから30㎞離れた場所には、36の巨大な奇岩が集まるカタ・ジュタ(オルガ岩群)がある。両者はウルルーカタ・ジュタ国立公園にあり、1987年に世界遺産に登録された。この地には4万〜5万年前からアボリジナルが住み続けており、彼らは岩山を神が棲む聖なる地であるとしてあがめ、畏怖の念を抱いている。また、国立公園はアボリジナルのアナング族の所有地であり、彼らは自然と共存する生き方を続けている。 

到底1日でまわれるスケールではないので、国立公園に隣接するエアーズ・ロック・リゾートに宿泊し、各種アクティビティとともに、ゆっくりと大自然に包まれる時間に浸りたい。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園入園券
TEL 08-8956-1128
休み 無休
料金 入園チケットA$25(3日間有効。ツアー参加の場合はツアー料金に含まれることもある)、5〜15歳A$12.50、4歳以下は無料
URL www.parksaustralia.gov.au/uluru

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by fotolia - ©ronnybas

夕暮れには落陽の光を浴びて赤色に変化する神秘的なウルルが見られる

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Kata Tjuta, by blachswan, CC BY

浸食された丸い奇岩が連なるカタ・ジュタ。近づくと岩肌のうねりや隆起がわかる

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

現地名:
Uluru - Kata Tjuta National Park
アクセス:
【空路】カンタス航空がケアンズ、シドニーから毎日直行便を運航している。パース発着は週2便。所要時間はそれぞれ2時間半~3時間。格安航空会社ヴァージン・オーストラリア航空も、シドニー間のみ毎日直行便を運航。空港からは無料送迎バスを利用できる
TEL:
08-8956-1128
営業時間:
5:00~21:00(12~2月)月によって変動あり。夜間は立ち入りできない
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.parksaustralia.gov.au/uluru

ウルル-カタ・ジュタ国立公園 Q&A

ウルルって?

世界最大級の一枚岩
エアーズ・ロックとも呼ばれ、「地球のへそ」とも例えられる高さ348m、周囲9.4kmの巨大な一枚岩。先住民アボリジナルにとっての聖地であり、畏敬の念を抱いている。具体的な発表はないが、今後2020年までに登山が禁止になるという方向性が示されている。

カタ・ジュタって?

大小36の奇岩の集合体
オルガ岩群とも呼ばれ、「たくさんの頭」の意味の名を持つ奇岩群。かつては1つの岩山だったが、長年の間に風化が進み現在にいたる。ウルルに並び、アボリジナルの敬意の対象になっている。

アボリジナルって?

オーストラリアの先住民
約5万年前の第4氷河期にオーストラリア大陸に渡り、住み着いた先住民。1788年、イギリスによる植民地化が始まるまでの間、隔絶された大地で今に受け継がれる独自の文化を築き上げた。

どうやってできたの?

長い時間をかけた浸食
ウルルもカタ・ジュタももとは巨大なひとつの岩山だった。それが雨や風によって浸食され、悠久の時間をかけて現在の姿になった。何万年後にはまた違った姿になっているかもしれない。

滞在には何日必要?

できれば2日以上
とにかく広大なウルル-カタ・ジュタ公園。ウルルとカタ・ジュタを両方訪れるなら最低でも2日は欲しい。そして、サンライズとサンセットの太陽の位置で変わる色を目に焼きつけたい。

どうめぐればいいの ?

オプショナルツアーが便利
安心して観光するためにも、ツアーに参加したい。熟練の知識豊富なガイドスタッフが、車の運転から観光のポイントや注意事項の説明、食材の手配まで行なってくれるツアーもある。ラクダやハーレーに乗れる楽しいツアーも催行されているので、チェックしたい。

2泊3日の滞在モデルプラン

1日目
午前 ウルル-カタ・ジュタ国立公園に到着。
午後 ベース・ウォークにいざ出発。大迫力の奇岩群や洞窟壁画を満喫したい。

2日目
午前 ラクダに乗って朝日を見に行くツアーに参加。日の出前に出発して、朝日が昇る神秘的な絶景を眺めたい。
午後 ヘリコプターで上空からウルルを楽しむ。夜には星空の下で豪華なディナー。

3日目
午前 ハーレー・ダヴィッドソンに乗り、リゾートからウルルまで疾走。美しい日の出を見ながら、旅を振り返る。

旅のプランニング

準備
気候 砂漠性気候で、雨は1か月に2~3日程度。9〜11月の春は寒暖差がゆるやかで過ごしやすい。12~2月は日中の気温が35℃を超え、日差しが強いので注意。
服装 歩きやすい服と靴が基本。紫外線対策のための帽子やサングラス、日焼け止めクリームは必須だ。砂漠の夜は冷え込むので、上着があると安心。
持ち物 飲料水を持ち歩くための、水筒やボトルホルダーがあると便利。夏季はハエが多いので、かぶるタイプのハエよけネットも準備したい。
所要日数 国立公園は想像以上の広さなので、1日程度で見てまわれるものではない。2泊3日以上は滞在して、余裕をもって観光したい。
気をつけたいこと 年間を通じて気温が高く、夏は40℃を超えることもあり、冬でも日中は暖かい。歩く際には水分補給が欠かせないので、必ず飲料水を携帯する。疲れたら、無理をせずに休憩をとること。
登山 ウルル、カタ・ジュタへは登山もできる。しかし、アナング族にとってウルル、カタ・ジュタは聖地であり、彼らは登らない。年間何人もの転落者があり、死者を出さないためにも登ってほしくないと望んでいるという。

アクセス
日本/各都市から 日本からは、ケアンズまたはシドニー、メルボルン経由で国内線に乗り継いでエアーズ・ロック空港へ。ケアンズとシドニーからは直行便があり、約3時間でアクセスすることができる。
空港からのアクセス◆AATキングスがエアーズ・ロック空港からエアーズ・ロック・リゾートまで無料のシャトルバスを運行。所要時間は約10分。
国立公園内の交通 エアーズ・ロック・リゾートからウルルまでは20㎞。カタ・ジュタまでは50㎞。ツアーに参加するのが一般的だが、運転に自信があればレンタカーがおすすめ。エリア内のシャトルバス「ウルル・ホップオン・ホップオフ」も便利。
電話 08-8956-2019
URL uluruhoponhopoff.com.au

「地球のへそ」と呼ばれる 巨大な一枚岩 ウルル(エアーズ・ロック)Uluru (Ayers Rock)

砂漠の中に突如として現れるウルル。悠然とたたずむ姿に畏敬の念を抱かずにはいられない。変化していくウルルの色を時間の経過を感じながら眺めたい。

悠久の時間をかけ地球が生み出した人類の遺産
「地球のへそ」と呼ばれるウルルは、高さ348m、周囲9.4㎞の巨大な岩山だが、地上に出ているのはほんの一部で、地下にはさらに2~6㎞も続いているという。表面の赤色は土が酸化したもので、陽光や岩の凹凸で7色に変化するといわれている。周囲には散策路があるので、間近で大きさを実感したい。

時間帯によってさまざまな表情を見せてくれる

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by fotolia - ©Simone

SUNRISE 朝は空が白んでくるなか全容が現れ、しだいにシルエットがはっきりしてくる

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by fotolia - ©ronnybas

DAYTIME 日中は青空を背景に、堂々と鎮座しているような印象を受ける

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by fotolia - ©ronnybas

SUNSET 夕日に染まる様子。日が沈むにつれて、刻々と色が変化していく

観光の情報はここで確認!! カルチュラル・センター Cultural Centre

アボリジナル、アナング族の歴史を展示。アボリジナル・アートの体験もできる。

住所 Ulur_u Rd.
TEL 08-8956-1128
時間 7:00〜18:00
休み 無休

リル・ウォーク Liru Walky 

往復4㎞・所要約1時間30分
登山口駐車場からカルチュラル・センターまで。マラ・ウォークなどとは違い、少し遠目からウルルを眺め歩く。

マラ・ウォーク Mala Walk 

往復2㎞・所要約1時間30分
登山口駐車場からカンジュ・ゴージまでのコース。壁画が見られるウェーブ・ケーヴなどのポイントがある。マラとはワラビーのことで、アナング族の祖とされる。マラ・プタは、安産祈願や出産の儀式が行なわれたとされる聖地。

カンジュ・ゴージ Kantju Gorge

雨が降ると、ここの岩壁に水が流れて滝になる。水の浸食によりできた深い溝がある。

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Mala Walk to Kantju Gorge, by portengaround, CC BY-SA

ウルル・ベース・ウォーク Uluru Base Walk 

一周10.6㎞・所要約3時間30分
ウルルのまわりをぐるりと一周している健脚向きのコース。マラ・ウォークやクニヤ・ウォークで見られるポイントもカバーできる。

クニヤピティ Kuniya Piúi.

アボリジナルの伝説の善の蛇「クニヤ」が棲んでいたといわれる洞窟

クニヤ・ウォーク Kuniya Walk

往復1㎞・所要約45分
クニヤ駐車場からムティジュルの泉までの遊歩道。クニヤとは、アボリジナルの伝説の善の蛇、ニシキヘビのこと。ムティジュルの泉近くの岩肌に、ハート形のくぼみが見られるところがあり、「ウルルの心臓」と呼ばれている。

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Kuniya Walk, by mah_japan, CC BY

ウルル(エアーズ・ロック)

現地名:
Uluru(Ayers Rock)

悠然と連なる大迫力の奇岩群 カタ・ジュタ(オルガ岩群)Kata Tjuta (Mt. Olga)

ウルルの西50㎞の位置にある、アボリジナルの神話にも頻繁に登場する神秘の地。場所や時間帯によって違う見え方をするのも魅力。

奇怪な姿で訪れる者を圧倒するもうひとつの世界遺産
「たくさんの頭」という意味の名を持つ。36の岩からなり、見る場所により景観が異なる。かつては1つの岩山だったが、長年の間に風化が進み、現在にいたる。サンセット・ビューイング・エリアでは4つの岩が、カタ・ジュタ・デューン・ビューイング・エリアでは36の岩の全貌が望める。高さ546m、周囲36㎞の壮大なスケール。

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Kata Tjuta, by blachswan, CC BY

パワースポットとして世界中の観光客が訪れる、ウルルとカタ・ジュタの雄大さに感動を覚えるはず

いろんな時間に眺めてみたい

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Morning Glow, by blachswan, CC BY

MORNING カタ・ジュタの迫力を見るなら日中がおすすめだが、日の出の時間帯も人気。朝日に染まる岩肌が輝きを放つ

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by fotolia - ©Laure

SUNSET 夕暮れどきは、躍動感あふれる日中とは打って変わって物静かな雰囲気で、また違う魅力がある

風の谷ウォーク The Valley of the Winds Walk 

全長7.4㎞・所要約4時間
宮崎駿監督作品 『風の谷のナウシカ』はここからヒントを得て作られたといわれている。トレッキングを楽しんでみたい。

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valley of the winds walk 1, by Percita, CC BY-SA

カル展望台 Karu Lookout

出発後1㎞ほどの場所にある、風の谷ウォークの第1展望台。

カリンガナ展望台 Karingana Lookout

風の谷ウォークの途中にある、第2展望台。風の音が体感できるかも。

ワルパ・ゴージ・ウォーク Wal-pa Gorge Walk

往復2.6㎞・所要約1時間
地表から546mというスケールの大きな岩の間を歩く。比較的平坦だが、夏場の暑さは想像を絶する。十分な飲料水を持っていくことを忘れずに。

カタ・ジュタ(オルガ岩群)

現地名:
Kata Tjuta(Mt. Olga)
アクセス:
エアーズ・ロック・リゾートより車で約40分

砂漠の中の緑豊かなオアシス エアーズ・ロック・リゾート Ayers Rock Resort

ウルルから20㎞離れたエアーズ・ロック・リゾート。周辺エリアで宿泊や飲食施設がそろうのはここだけ。
高級ホテルからバックパッカー向けのドミトリー、キャンプ場までさまざまなタイプの宿泊施設がそろう一大リゾート。十数軒のレストランやショッピングセンター、郵便局、スパもあり、小さな街のようになっている。周囲には高い建物はなく、セイル(帆)を使った日陰の演出や微風を生むデザインなど、建築家フィリップ・コックス氏による環境に配慮した設計も必見。

 

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Ayers Rock Resort, by Alberto.., CC BY

リゾートの周辺は見渡す限り砂漠。赤土を背の低い植物が覆うのみだ

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ホテルごとに個性的なプールを備えている

おすすめポイント

野生動物に会える
エアーズ・ロック・リゾート周辺には、ディンゴやモロクトカゲ、クリステッドピジョンという鳥類など、たくさんの野生動物が生息している。野生のラクダやカンガルーを見かけることもある。

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野生のディンゴも多い

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モロクトカゲ

お酒が飲める場所
レストランやバーでワインやカクテルが楽しめる。リゾート内の酒屋はアウトバック・パイオニアにあるボトルショップのみだ。営業時間は12~21時なので、覚えておきたい。

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展望台からの眺望
エアーズ・ロック・リゾートからウルルまでは約20㎞の距離があるが、リゾート内にある5か所の展望台からその雄姿を望むことができる。カタ・ジュタは約50㎞離れているので、リゾートから見るのは難しい。

日本語はほとんど通じない
ツアーガイドや店のスタッフはほとんどがオージーで、日本語は通じないと思っておきたい。困ったことがあれば日本語が通じるジャパン・デスクへ行くとよい。日本語を話すガイドの紹介もしてくれる。

旅のプランニング

アクセス
ウルル-カタ・ジュタへの観光は、エアーズ・ロック・リゾートからツアーに参加する方法が一般的。予算や時間を考えても効率が良い。個人で行く場合は、公共の交通機関はないので、レンタカーを利用して行くことになる。時間に左右されず気ままにドライブするのは魅力的だが、ツアーと比べると割高になる場合もあるので注意したい。予算と日程を考えて、ツアーとレンタカーを使い分ける手もある。

レンタカー会社
エイビス Avis
TEL 136333
フリーダイヤル 0120-311-911(日本)
URL www.avis-japan.com

ハーツ Hertz
TEL 133039
フリーダイヤル 0120-489-882(日本)
URL japan.hertz.com

バジェット Budget
TEL 1300-362848
フリーダイヤル 0120-150-801(日本)
URL www.budgetrentacar.jp

インフォメーション

ジャパン・デスク Japan Desk
セイルズ・イン・ザ・デザートにある宿泊者専用のヘルプデスク。困ったことがあった場合は電話でも相談できるので、焦らずに活用したい。
TEL 08-8957-7442
時間 9:00~16:00
休み 無休

ウィンジリ・アート&ミュージアム Wintjiri Art Museum
ウルルやアボリジナルに関する展示があり、歴史や文化だけでなく、砂漠に生息する動植物や気候について学べる。
時間 9:00~17:00
休み 無休

エアーズ・ロック・リゾート

現地名:
Ayers Rock Resort
住所:
Yulara Dr.
地図を見る »
TEL:
08-8957-7888
Webサイト:
http://www.ayersrockresort.com.au
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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷるオーストラリア’18」です。掲載されている記事やデータは2017年6月現在のものです。 いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。※料金の単位はオーストラリアドル(A$)で示しています。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。