小さな島の伝統文化に魅せられる

ヴェネツィア共和国の主要産業だったガラス細工や、家内工業として発展した細密なレース編み。どちらもかつてヨーロッパ貴族たちに愛され、現在もその美しさを受け継ぐ、島の伝統工芸品。

繊細で色彩豊かなムラーノ島のガラス細工

高い技術を必要とするガラス製造は、早くよりヴェネツィア共和国の主要産業のひとつだった。1291年に火災防止のためすべてのガラス職人をムラーノ島に移住させ、技術の流出も防いだ。以来、島には今でも多くのガラス工房があり、世界中から絶えずガラス作家らが修業に訪れる。フィリグラーナと呼ばれるレースのような模様のガラスや、 金太郎飴のようにして作ったムリーネという花模様のミッレフィオーリのほか、鮮やかで多彩な色合いが特徴。

職人が伝統の技法で作る島の特産品 フェッロ&ラッザリーニ (Ferro & Lazzarini)

10人の専属マエストロを抱え、さまざまな種類のガラスを扱う大型店。著名作家の作品が並ぶ部屋はまるで美術館。ワイングラスなどは原則セット売りだが、破損の際は追加オーダーも可能。

フェッロ&ラッザリーニ(ムラーノ島)

現地名:
Ferro & Lazzarini
住所:
Fondamenta Andrea Navagero 75, Murano
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アクセス:
ヴァポレット5・18・41・42・N・DM番Navageroナヴァジェロから徒歩1分
TEL:
041-739299
営業時間:
9:00~17:00
定休日:
祝日、不定休あり 

漁業用の網製作が進化立体的なレース編み

もともと貴族の女性の趣味として生まれたヴェネツィアのレース編みは、すでに16世紀にはデザインや技法を記した本も出版されている。ブラーノのレースは、1本の針を使って型紙の上を糸で縫うように結びつけていくニードル・レースと呼ばれるもの。たくさんのボビンで糸をからめていくボビン・レースと比べ時間はかかるが、より細かく、自由で立体的な模様になる。国の主要産業のひとつとして、とくにブラーノでこのレースの生産が強化された。

島の女性に受け継がれる精緻な技術 エミリア (Emilia)

4代目の店主、ロレンツォさんがみずからデザインも手がける。商品は伝統的な品もあれば新しいものもあり、しおりからテーブルクロスまでバリエーション豊か。2階には代々のコレクションの展示も。

エミリア(ブラーノ島)

現地名:
Emilia
住所:
Piazza Galuppi 205, Burano
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アクセス:
ヴァポレットN・LN番Buranoブラーノから徒歩10分
TEL:
041-735299
営業時間:
9:30~19:00(冬季は~18:00)
定休日:
無休 
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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ イタリア」です。掲載している情報は、2014年10月〜2015年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。