Narrow street in Brera, Milan by fotolia - ©Fabian

まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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ミラノ・ブレラ地区 瀟洒な通りから領主の城館へ

スカラ座脇のジュゼッペ・ヴェルディ通りを北上、横道に入ってサンタ・マリア・デル・カルミネ教会を覗き、イタリア屈指のブレラ美術館、そしてサン・マルコ教会へと向かう。



街歩きコース(移動時間 約35分)

START 1・3号線 ドゥオモ駅

↓ 10分

ジュゼッペ・ヴェルディ通り

↓ 7分

サンタ・マリア・デル・カルミネ教会

↓ 4分

ブレラ美術館

↓ 4分

サン・マルコ教会

↓ 7分

GOAL 3号線 トゥラーティ駅

旧市街でも最もノーブルな雰囲気が漂う道

スカラ座を左にまわり込むようにジュゼッペ・ヴェルディ通りに入る。トラムや車の往来から離れると途端に静かな空気に包まれる。道の左側のスカラ座は、あまりに近いため新築部分はやや見えにくいが、その大きさにはただ圧倒されるばかりだ。道の右側にはカフェ・ヴェルディをはじめ、雑貨店などが並んでいる。それらをのんびりとひやかしながら、ブレラ通りへと入っていく。この界隈は古くからのお屋敷街で、由緒ある貴族の館が多く残っているせいか、どことなくノーブルな雰囲気が漂う。

カルミネ通りを左に折れてサンタ・マリア・デル・カルミネ教会へ。小さく開けた広場に出ると右手にめざす教会がたたずんでいる。15世紀に建てられたカルメル会修道会の教会で、内部は随所にバロックの装飾が施され、最後に完成したファサードはネオ・ゴシック様式にのっとっている。洗練されたたたずまいが落ち着いた雰囲気を醸し出し、散歩中の休憩に立ち寄る近隣の人も多い。

広場にはブティックやカフェがあり、夕方からはハイセンスな若者がアペリティーヴォを楽しみに集まってくる。目の前はカジュアルな飲食店が軒を連ねるメルカート通りだ。

ジュゼッペ・ヴェルディ通り Via Giuseppe Verdi

イタリア・オペラの父、ジュゼッペ・ヴェルディの名を冠する。スカラ座横からブレラ地区へ抜ける通りで、スカラ座関係者御用達のカフェ、本屋などがある。

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この道から北は元貴族の屋敷がずらりと並ぶ、かつての高級住宅街。

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ジュゼッペ・ヴェルディ通り

現地名:
Via Giuseppe Verdi
アクセス:
メトロ3号線 Montenapoleone モンテナポレオーネ駅から徒歩5分

カルミネ広場にあるバラ窓を持つ教会 サンタ・マリア・デル・カルミネ教会 Chiesa di Santa Maria del Carmine

15世紀に創建。19世紀末にカルロ・マチャキーニが大規模な修復を施し、現在のネオ・ゴシック様式のファサードとなった。とくに、緻密な放射線状の装飾に彩られたバラ窓が見事だ。内部では、新古典主義様式の大祭壇、バロック様式の聖母マリア礼拝堂などの彫像や絵画が素晴らしい。教会横には、付属修道院の中庭付回廊もある。

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ブレラ地区の静かな一画に建つ

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近隣の貴族たちの信仰を集めた由緒ある教会。広場にはおしゃれなブティックやカフェも建ち並んでいる。

サンタ・マリア・デル・カルミネ教会(ミラノ)

現地名:
Chiesa di Santa Maria del Carmine
住所:
Piazza del Carmine 2
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アクセス:
メトロ2号線ランツァ駅から徒歩5分
TEL:
02-86463365
営業時間:
7:15~12:00、16:00~19:15※週末はミサあり。静かに見学すること
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.chiesadelcarmine.it

ミラノ随一の絵画館と心地よい並木道へ

再びブレラ通りに戻り北上する。やがてすぐ右手にひときわ大きな赤レンガ造りの館が現れる。ブレラ美術館をはじめ、大学や研究機関、図書館が入ったブレラ宮だ。起源を13世紀にさかのぼる修道院が、18世紀にオーストリア女帝でロンバルディアの支配者であったマリア・テレジアによって美術および学術研究所に生まれ変わり、19世紀初頭にコレクションを拡大。15〜18世紀のヴェネツィア派、ロンバルディア派の作品が充実していることで知られる。

たっぷりと美術を堪能したら、サン・マルコ教会へ。13〜14世紀にかけて造られた古い教会前の並木道にはレストランやカフェが並び、のんびりと散歩を楽しめる界隈だ。

ブレラ美術館 Pinacoteca di Brera

15〜18世紀の北イタリア絵画が充実している、ミラノ随一の美術館。

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ブレラ美術館

現地名:
Pinacoteca di Brera
住所:
Via Brera 28
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アクセス:
メトロ2号線ランツァ駅から徒歩5分
TEL:
02-722631
営業時間:
10:30~19:15
定休日:
月曜 
Webサイト:
http://www.pinacotecabrera.org

アウグスティヌス修道会が創建 サン・マルコ教会 Chiesa di San Marco

1254年、福音書家・聖マルコを祀るために建造。1871年にネオ・ゴシック様式による修復が行なわれ、正面扉上の華麗なファサードが誕生した。1874年には、ヴェルディ作『レクイエム』の初演も行なわれた。

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起源を13世紀に遡る古い教会。堂内に施された装飾のほか、収蔵する貴重な美術品の数々は必見。

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18世紀、幼少期のモーツァルトが司祭館に滞在した

サン・マルコ教会

現地名:
Chiesa di San Marco
住所:
P.za S. Marco 2
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アクセス:
メトロ3号線 Montenapoleone モンテナポレオーネ駅から徒歩5分
TEL:
02-29002598
営業時間:
7:00~12:00 16:00~19:00
定休日:
無休 

ルネサンス期ミラノの最大の建造物 スフォルツェスコ城 Castello Sforzesco

14世紀にミラノを支配したヴィスコンティ家のガレアッツォ2世が建造。15世紀にスフォルツァ家がミラノ領主になると、同家のフランチェスコとその息子ルドヴィコ・イル・モーロがさらなる改築を行ない、ルネサンス期を代表する宮廷のひとつとして栄えた。改築時の設計と装飾担当者には、ブラマンテ、レオナルド・ダ・ヴィンチらも名を連ねている。ミラノがスペイン、オーストリア支配下に入った16〜18世紀には、城塞として使われた。その後は崩壊の危機もあったが、19 世紀末に建築家ルカ・ベルトラミが往時の面影を取り戻すための修復に尽力し、現在の姿となった。 正面中央のフィラレーテ門を入ると広い中庭があり、その後ろに城が建つ。左側がかつての領主の居城コルテ・ドゥカーレ、右側が中庭があるかつての城塞だ。ともに現在は市立博物館となっており、城の強固な建築と華麗な室内装飾を見学しながら、古代から近代までの貴重な展示品を鑑賞できる。

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スフォルツェスコ城の歴史は、14世紀に要塞兼城として造られたのが始まり

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フィレーテの塔
スフォルツェスコ城の正面入口となるフィレーテの塔。高さ109mの堂々たる姿はダンテ通りのどこからでも見える。

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城内に残された、名君スフォルツァを讃える碑

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庭園
城の中庭部分にあたる庭園はミラノ市民の憩いの場所。猫のサンクチュアリにもなっており、たくさんの猫が暮らす。

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城の周囲には緑地が広がっている

スフォルツェスコ城

現地名:
Castello Sforzesco
住所:
Piazza Castello
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アクセス:
メトロ1号線ランツァ駅/1・2号線カドルナ駅から徒歩1分
TEL:
02-88463700
営業時間:
7:00~19:30
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.milanocastello.it

中世と近代の建築様式の混合も見事 サン・シンプリチャーノ教会 Chiesa di San Simpliciano

4世紀に聖アンブロージョが創建したヴィルジヌム聖堂が前身。8〜19世紀の度重なる修復により、多彩な様式が混合した。後陣のベルゴニョーネ作のフレスコ画『聖母戴冠』、新古典主義様式の祭壇、側廊左奥のバロック様式の礼拝堂などが見どころだ。

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ファサードのガラス窓は19世紀に修復された

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サン・シンプリチャーノ教会の正面にあるフレスコ画

サン・シンプリチャーノ教会

現地名:
Chiesa di San Simpliciano
住所:
Piazza S. Simpliciano
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アクセス:
メトロ2号線 Lanza ランツァ駅から徒歩3分
TEL:
02-862274
営業時間:
8:00~12:00、15:00(日曜、祝日16:00)~19:00
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.sansimpliciano.it

新古典主義様式の荘厳な記念碑 平和の門 Arco della Pace

1807年、当時ミラノを支配していたナポレオンの凱旋門として着工。1815年のウィーン会議を経て「平和の門」となり、その後、ミラノ当主となったオーストリア皇帝らが、街の歴史を刻む碑文を掲げた。

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センピオーネ公園の北に建つナポレオンの凱旋門

平和の門

現地名:
Arco della Pace
住所:
P.za Sempione
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アクセス:
メトロ1・2号線 Cadorna Triennale カドルナ・トリエンナーレ駅から徒歩12分

センピオーネ公園 Parco Sempione

スフォルツェスコ城の背後に広がる公園。英国式庭園として整備され、47haもの広さを誇る。園内には市立水族館、競技場、アルテ宮などがある。

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かつてはミラノ領主の狩猟地として使われていた

センピオーネ公園

現地名:
Parco Sempione
住所:
Parco Sempione
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アクセス:
メトロ1・2号線 Cadorna Triennale カドルナ・トリエンナーレ駅から徒歩7分
営業時間:
7:00~22:00

プッブリチ公園 Giardini Pubblici

ミラノ中心部の緑のオアシス。ミラネーゼ気分でゆったり過ごしたい。園内にはプラネタリウムや自然史博物館もある。

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緑のなかでひと休み

プッブリチ公園

現地名:
Giardini Pubblici
住所:
Giardini Pubblic
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アクセス:
メトロ1号線 Palestro パレストロ駅から徒歩1分
営業時間:
入園自由
定休日:
入園自由 

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ イタリア」です。掲載している情報は、2014年10月〜2015年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。