Fotolia_90741672_Subscription_Monthly_M by fotolia - ©oben901

まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

この記事をシェアしよう!

イタリア・フィレンツェのドゥオモ「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」

建築史上で最高峰の美しさとして知られる、大聖堂の赤いクーポラ(丸屋根)は、今も昔もフィレンツェ市民の誇り。まずはここから赤レンガ屋根の街並みを眺めてみたい。

「花の都」のシンボル、丸屋根の大聖堂 ドゥオモ

Q.ドゥオモって何?
A.ドゥオモとはカトリックの教区ごとの中心となる教会の名称。この聖堂の正式名称のサンタ・マリア・デル・フィオーレは「花の聖母大聖堂」を意味する。

Q.どんな経緯で建てられた?
A.13世紀末、経済も発展し、人口も急増したフィレンツェでは、ほかの都市よりも秀でた、街の中心となる聖堂が必要だと考えられた。当時3万人に及ぶ全市民を収容できる市民ホールとしての役割もあったとされる。

Q.見どころは何?
A.まずは街のシンボルの、高さ106mのクーポラ。クーポラやジョットの鐘楼に上って眺める街並みはとても感動的だ。色とりどりの大理石が美しいファサードや、聖堂内部、洗礼堂の天国の門も見逃せない。

Q.誰がいつ建てたもの?
A.大聖堂は彫刻家カンビオの設計により1296年に着工したが、建設中に逝去したため1331年からジョットが担当。鐘楼などを造ったが途中で挫折。建設が難航していたクーポラをブルネレスキが1446年に完成させる。その後、1887年に正面ファサードが完成し、ほぼ現在と同じ姿となった。放置された期間も含め完成までおよそ600年かかった計算。

Q.丸屋根の建造は大変?
A.ブルネレスキが現れるまでは、地上で円蓋を造ってから載せるという工法だったので、大きな円蓋は載せられず、建設は不可能だと思われていた。古代ローマの技法に学んだブルネレスキは、二重構造工法という今までにない方法を考案。無事完成した円蓋に当時の人々は驚嘆し、賛辞を贈った。

940871

クーポラ
主祭壇の上に広がる直径45.5m、高さ106mのクーポラ。463段の階段を上ると展望台に出る。

940511

最高の感動ビュー! クーポラへ上ろう(完全予約制)

入口はドゥオモ北側のマンドルラ門。エレベーターはなく、463段の階段を上る。

営業時間 8:30〜18:20(土曜は〜17:00、日曜は13:00〜16:00)※時間は日により変動あり 
休日 一部祝日 
料金 共通チケット€15
※HPでチケット購入時に日時を指定

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

正面ファサード
1887年、統一イタリアのシンボルカラー赤・白・緑の大理石で再建された。

944463

天井フレスコ画
画家ヴァザーリらによる壮大なフレスコ画『最後の審判』がクーポラ内側に描かれている。写真中央は『裁きのキリスト』。先に造られた洗礼堂のモザイク画を参考に制作。

937086

身廊
俯瞰するとラテン十字の形をした聖堂内部。丸い天井を巨大な柱が支え、その柱で3身廊に仕切られている。床も外壁同様、色大理石による幾何学的模様。1526年に着工し、1660年に完成した。

937102

サンタ・レパラータ教会跡
聖堂内から地下へ階段を下りると、旧聖堂のサンタ・レパラータ教会跡を見学できる(共通チケット€15)。

944451

パオロ・ウッチェッロの時計
24時間を表示しており、針は通常の時計とは逆に回る。文字盤の「Ⅰ」は、日時計を利用していた名残で日没を示しており、その時間にミサが行なわれていた。

937110

『ダンテの神曲』 
ドメニコ・ディ・ミケリーノによる絵画(1465年作)。右手に当時のドゥオモが描かれ、クーポラは完成しているが、外壁の大理石の化粧板は施されていない様子がわかる。歴史的にも貴重な作品となっている。

937136
937127

騎馬像2作
壁の騎馬像は上がパオロ・ウッチェッロ作の『ジョヴァンニ・アクート騎馬像』、下がアンドレア・デル・カスターニョ作の『ニッコロ・ダ・トレンティーノ騎馬像』。

ドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂) (フィレンツェ)

現地名:
Duomo(Basilica di Santa Maria del Fiore)
住所:
Piazza del Duomo
地図を見る »
アクセス:
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩10分
TEL:
055-2302885
営業時間:
10:00~17:00(金曜は~16:30、土曜は~16:45、日曜は13:30~16:30)※HP(日本語あり)から日付を設定して各施設の時間確認可能
定休日:
一部祝日 
Webサイト:
http://www.museumflorence.com

エレガントな姿 ジョットの鐘楼 

ドゥオモの隣にそびえる、高さ84.7mのゴシック様式の鐘楼。414段の階段を上るとそこは見晴らし台になっていて、フィレンツェの美しい街並みの大パノラマが一望できる。

943294

最高の感動ビュー! 鐘楼に上ろう

入口は東壁に、大聖堂の正面ファサード側から見るとその裏側にある。

電話 055-2302885
営業時間 8:15〜19:20(閉門は20:00)※日によって変動あり
休日 一部祝日
料金 共通チケット€15

943304


見晴らし台までの階段の途中に、高さ2mほどの大きな鐘を展示。

Fotolia_90741672_Subscription_Monthly_M
by fotolia - ©oben901

ジョットの鐘楼から眺めるクーポラとフィレンツェの街並み

ジョットの鐘楼

現地名:
Campanile di Giotto
住所:
P.za del Duomo
地図を見る »
アクセス:
Santa Maria Novella サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩10分
TEL:
055-2302885
営業時間:
8:30~18:50(入場は~19:30)※日によって変動あり
定休日:
一部祝日 

見学アドバイス

クーポラとジョットの鐘楼どちらに上る?

どちらも400段以上の階段があり段差もきついので、上るのは体力的に1つが無難。人気のクーポラは完全予約制だが、天井画を間近に見られる。ジョットの鐘楼は予約なしで入場でき(予約も可能)、途中に休憩所が多い。また、丸屋根とフィレンツェの街並みを同時に眺められる。

チケット売り場はどこにある?

共通チケットの販売所は、ジョットの鐘楼かサン・ジョヴァンニ洗礼堂北の芸術文化センター、サンタ・レパラータ教会跡入口にある。クーポラにはないので列に並ぶ前に必ず入手しよう。最初に使用してから48時間有効。HPからオンラインでも購入でき、クーポラなどの予約は購入時に日時を選択する。

ギベルティの傑作は必見 サン・ジョヴァンニ洗礼堂 

守護聖人・聖ジョヴァンニを祀る八角形の洗礼堂は、11世紀の改築跡があるフィレンツェ最古の建築物のひとつ。ギベルティ作の『天国の門』とクーポラのモザイク画は必見。

941284
941317

モザイク画
天井に描かれたのは、ビザンチン様式のモザイク画で金色に輝く。13世紀の美術家たちの渾身の作品だ。

%3CatariName%3EDSC_7727.eps%3C/atariName%3E%3CajstAnlge%3E0%3C/ajstAngle%3E

天国の門
洗礼堂の東側の扉。ギベルティが制作に25年の歳月をかけた傑作。現在のものはレプリカで、本物はドゥオモ美術館にある。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂

現地名:
Battistero di San Giovanni
住所:
P.za S. Giovanni
地図を見る »
アクセス:
Santa Maria Novella サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩10分
TEL:
055-2302885
営業時間:
8:15~10:15、11:15~19:30(日曜は8:15~13:30)※日により変動あり
定休日:
一部祝日 時間、休みは変動あり

立ち寄りスポット ドゥオモ美術館 

雨風や風化対策として、ドゥオモや洗礼堂、ジョットの鐘楼などを飾った優れた美術作品を収蔵、展示。

944101

 ミケランジェロ作『ピエタ』

ドゥオモ美術館

現地名:
Museo dell'Opera del Duomo
住所:
Piazza Duomo 9
地図を見る »
アクセス:
ドゥオモから徒歩1分
TEL:
055-2302885
営業時間:
9:00~18:00、月・土曜、金曜(不定期)は~21:00
定休日:
一部祝日 

観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「まっぷるイタリア’18」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年10〜12月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。料金・価格の単位は、ユーロ(€)で表示しています。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

この記事のタグ