病気╱けが HEALTH

旅行者がかかりやすい病気 DISEASE

■疲労
時差が8時間(サマータイム実施中は7時間)あるうえ、日本からイタリアまでの飛行時間が約12時間半かかるため、時差とともに、長時間狭い場所に居続ける疲労も大きい。到着日はゆっくり休み、体調を整えたい。

■風邪 
日本と比べて平均気温はイタリアのほうがやや低い。とくに北部はアルプスにも近く、冬は降雪もある。夏は暑いが乾燥しているので、疲労も重なり風邪をひきやすい。

■下痢・胃腸疾患
イタリア料理はオリーブオイルを多用するので、お腹の弱い人は下痢しやすい。重たい料理が少しずつ胃に負担になるほか、環境が変わり便秘になる人も多い。エスプレッソコーヒーも胃に負担になる。

病気になったら、けがをしたら WHEN YOU GET SICK OR INJURED

ホテルに滞在中であればコンシェルジュに相談し、医者にかかる。事故に遭ったときは、軽傷なら、現場の警官や救急隊員などの指示に従う。大けがで身動きがとれないときなどは、まずは救急車を呼んでもらい治療を。日本の留守宅への連絡などの協力を依頼するためにも、日本国大使館か日本国総領事館へはなるべく早く連絡をする。

イタリアの救急医療システム
イタリアの医療水準は日本やヨーロッパの先進国と同レベル。旅行者が緊急の治療を必要とする場合、救急診療のある公立の総合病院に行く。救急車に乗った場合も同様の病院に搬送される。海外旅行保険に加入しているときはなるべく早くアシスタンスセンターに連絡したい。海外旅行保険に加入していないと高額の医療費がかかる。

海外旅行保険 TRAVEL INSURANCE

病気や事故に遭う可能性は非常に低いが、万一に備えて保険には必ず加入しておきたい。とくにイタリアでは治療費が高額なうえ、言葉の問題もある。病院との交渉、入院費、通訳の手配など、加入していれば保険会社に任せられる。

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イタリアの病院 HOSPITALS IN ITALY

公立病院と私立病院があり、救急搬送された場合は公立病院。患者が多く、英語が話せる医師はあまりいない。外国人が受診の際は、パスポートと海外旅行保険証が必要。

英語が通じるおもな病院・医師
[ローマ]
中田吉彦医院 Dr. Nakata in Roma 06-638-1924

[フィレンツェ]
メディカル・サービス Medical Service 055-475411(24時間受付)

[ミラノ]
森下アッカーメ診療所(チェントロ・メディコ・ヴィスコンティ・ディ・モドローネ内) Centro Medico Visconti di Modrone 02-7600-4568

[ヴェネツィア]
サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ病院 Ospedale Santi Giovanni e Paolo, Venezia 041-5294111

イタリアの薬局 PHARMACY

基本的に医師の処方箋がないと薬は買えないので、風邪薬、胃腸薬などは、普段服用しているものを日本から持参するとよい。塗り薬などの一般大衆薬は購入できるものもある。

緊急時の対応

●保険会社の提携病院へ
保険会社に連絡
海外旅行保険に入っており、旅先での病気や事故で医師の診察が必要になったときは、保険会社のアシスタンスサービスを利用し、病院を紹介してもらう。24時間受付、日本語で対応してくれる。

治療
指定された病院で治療を受ける。治療の際は、海外旅行保険証を持っていく。治療費は支払う必要はない。入院など、事後の交渉は保険会社が進めてくれる。

●緊急を要する場合
救急車で病院へ
ホテルのフロントに連絡、相談し、救急車を呼んでもらうなどして病院へ向かう。

治療
病院で医師の治療を受ける。治療費は立て替えで支払う。治療費や薬代の領収書のほか、診断書を受け取る。

保険会社に連絡
帰国後、保険会社に領収書、診断書などを提出。連絡は病院利用から30日以内にすること。

盗難╱紛失 THEFT & LOST

盗難╱紛失の際の対処 IN CASE OF THEFT & LOSS

盗難に遭ったり、紛失したりすると、旅の楽しさが半減する。イタリアでは、グループによる置き引きやスリ、オートバイに乗ってのひったくりなどが多発している。いずれも単独犯ではないことが多く、手口は巧妙で、被害に遭いやすい。用心すればある程度は防ぐこともできるが、まず、命を守ることが第一であることを忘れずにいたい。残念ながら盗まれたものが帰ってくる可能性は少ないが、万一、盗難に遭ったり、紛失をしたりしたら、最寄りの警察で盗難・紛失届出証明書を作成してもらう。

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盗難・紛失に備える

■パスポート
顔写真があるページのコピーをとっておくか、パスポート番号や発給日、発行地などを控えておき、パスポートとは別の場所に保管。パスポート用の顔写真2〜3枚も用意しておくとよい。

■クレジットカード
カード番号と有効期限を控え、発行会社の緊急連絡先も調べておく。暗証番号を書いたメモなどをカードと一緒に保管しないこと。不正使用されても補償されないことがある。

■航空券(eチケット控え)
eチケット控えは、航空会社の窓口で無料で再発行してもらえる。本人確認のため、購入時に使用したクレジットカードやパスポート番号が必要。便名や出発時刻は別に控えておきたい。

盗難・紛失時の対応

【パスポート】
①警察に届け出
盗難・紛失届出証明書を発行してもらう

②日本大使館に届け出
渡航書の発給手続き
警察の証明書、顔写真2枚、運転免許証など国籍を確認できる書類、帰りの航空券を用意して日本大使館へ連絡。窓口で「帰国のための渡航書」を申請する。

③発給
渡航書は即日発給も可能だが、他国へは入国できない。現地でパスポートを申請する場合は戸籍謄(抄)本が必要で、最短で2日かかる。

【貴重品】
①警察に届け出
盗難・紛失届出証明書を発行してもらう

②帰国後、保険会社に申請
現金は保険がきかないが、荷物などの盗難は補償される。帰国後、警察の証明書とともに、購入時の領収書など必要書類を揃えて保険会社へ請求する。

③保険金給付

 

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【国際キャッシュカード・国際デビットカード】
①発行会社に届け出
再発行手続き
紛失・盗難に気付いたら、すぐに発行元の金融機関へ連絡して、利用停止の手続きをする。オンラインで手続きができる場合もある。指示があれば、警察で盗難・紛失届け出証明書を発行してもらう。

 

②再発行
帰国後の再発行が多い。会社によっては、現地で緊急カードを受け取れることもあるが、通常は有料で日数がかかる。

 

【クレジットカード】
①カード会社に届け出
失効手続き
不正使用されないよう、すぐにクレジットカード会社の緊急連絡先へ電話する。カードの利用停止手続きをする。カード番号、有効期限、最後に使用した日付と店の名前、金額を伝える。次に警察に盗難・紛失届出証明書を発行してもらい、再発行手続きをする。不正使用されないよう、すぐにクレジットカード会社の緊急連絡先へ電話する。名前、カード番号、最後にカードを使った店名と金額などを告げ、カードの停止手続きと再発行を依頼。併せて警察へも届け出て、紛失・盗難届出証明書を発行してもらう。

 

②再発行
再発行までの日数や手数料は会社により異なるが、緊急再発行サービスや代替カードにより、現地で使用可能になることもある。

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観光情報を観光地ごとに紹介する雑誌スタイルの旅行ガイドブック「まっぷるマガジン」。その取材スタッフや編集者が足で集めた「遊ぶ」「食べる」「買う」「見る」「泊る」のおすすめ情報をご紹介しています。

奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ イタリア」です。掲載している情報は、2014年10月〜2015年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。