シアトルの絶品ショコラとTheoチョコレート工場見学ツアー!
Seattle: Theo Chocolate Factory Tour, by eliduke, CC BY-SA

シュローダー彩

更新日:2019年5月20日

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シアトルの絶品ショコラとTheoチョコレート工場見学ツアー!

今回は、シアトルのフリーモント地区にある、その美味しさで、シアトルはもとより、アメリカ国内外から訪れる人々の心と舌を魅了してやまない最高品質のチョコレートと、ヨーロッパにある数々の名門ショコラブランド達にもまったく引けを取らない、「魅惑のチョコレートファクトリー」を、みなさまにご紹介いたします!



フリーモントの特徴

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筆者提供

それではこの魅惑のファクトリーへ向かう前に、ここフリーモント地区について少しご説明させていただきましょう。

フリーモントへ向かってウエスト レイク トレイルから徒歩や自転車で、またはこの方面から来るバスに乗ってやってくると、この町のシンボルともいえる、美しくよく手入れされた「跳ね橋」、「フリーモント橋」が私たちの訪れを出迎えてくれます。

「跳ね橋」とは「船の行き来の際に開いたり閉じたりする橋」のことで、はじまりは西洋のお城の入り口前にある橋を上げて、外敵がお城の中に入り込めないように工夫されたものと言われています。

運が良ければ、船の往来でこの「跳ね橋が上がる瞬間」を目撃することもできるかもしれません。

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…さて、このフリーモント橋を渡って左側を見ると、次に私たちを出迎えてくれるのが、カリフォルニアに本拠地を構える、かの有名な「google」のシアトル支社です。橋の道なりから覗くと、敷地内にあるgoogleが社員たちに貸し出している「google色の自転車」たちが見えてきます。

「レゴのおもちゃみたいにカラフルでとてもかわいい色合いのこの自転車」たち、残念なことに私はまだ一度もフリーモントでこれを使って仕事に来ている人を見たことがありません。

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今や、世界中の人々が観光として訪れる、シアトルでも有数の観光エリアと呼ばれるようになったフリーモントエリア。

街を歩く人もお店の人達もみな、国際色豊かなこのエリアは、旅人たちにもとてもフレンドリーで、気さくに話しかけてくれる人達ばかりです。

またシアトルでは珍しく、一年中休むことなく開催されるマーケットの「フリーモントサンデーマーケット」では、フランス式のおしゃれなマルシェの雰囲気と、このマーケットでしか味わえない、美味しいフードトラックがいくつも存在し、訪れる人々の目と舌を楽しませてくれます。

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魅惑のチョコレートファクトリーへ行こう

さて、その「フリーモントサンデーマーケット」が「毎週日曜日に開催される同じ通り」をまっすぐ、通りの最後まで歩いていくと、この道の右の角に赤茶色の、歴史の趣を感じさせる建物が見えてきます。

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そして、それと同時か、風の強い日はそれよりも少し前に、どこからか、甘くてほろ苦〜い、「誰の心もくすぐる魅惑的な香り」が漂い始めます。

そう、この香り、このチョコレート色の歴史を感じさせる建物、実はここが今回の目的地、フリーモントにあるローカルの「チョコレートファクトリー」。この美味しい甘くてほろ苦い香りは、ここから漂ってきているのです。

そのチョコレートの胸をときめかせる香りのやって来る道をたどって、通りの角をひょい、と曲がると、すぐに見えてくるガラス張りの扉があります。

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これは、このチョコレート工場内部を見学するために訪れた「見学者専用の入り口」です。工場に併設されている「チョコレートブティック」へは、ほかの扉が用意されています。

入口にはかわいらしいグリーンイエローカラーにペイントされた看板に、チョコレートを思わせる濃い茶色で、「工場見学の入口はこちらです」と書かれた「看板」がちょこんと通りに出て立っていますので、工場見学用の入り口とお店への入り口を見分けるための「目印」となるはずです。

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「チョコレートブティック」への扉はこの建物を壁面に沿ってもう少し進んだ先のところにありますので、この美味しいにおいにつられて、ついうっかり、入り口を間違えてしまわないようにご注意くださいね。

ちなみに、こちらのチョコレートを味わうだけでなく、ぜひ工場の中も見学してみたいという方は、事前にこの工場がホームページ上に用意している、予約の申し込みを済ませてく必要があります。

この工場見学については、後ほど実際の参加体験を混じえて詳しくご紹介させていただきますので、どうぞご安心ください!

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さて、この本日の目的地でもあるチョコレートカンパニー、「テオチョコレートカンパニー」は、2006年にここシアトルのフリーモントで開業したまだとても若いチョコレートの会社です。
歴史の長さについては、ヨーロッパの名門と呼ばれる数々のチョコレートメーカーにはもちろんかなうこともありません。

しかし、人の目の行き届くところで、一つ一つ丁寧に、それぞれの職人達と、創設者達が持つ理念に基づくチョコレート作りが行われています。

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そのかわり、この工場から一度に大量のチョコレートを生産できるわけではありません。ですが、このチョコレートにはそれ以上の価値を持つ、質の高さと、人々を唸らせる味わいの両方を持っています。

と同時に、一度味わってみるとわかる、人の温かみを感じる優しく丁寧なこのチョコレートの口溶けの中に、カカオ本来の深く、力強い芯のある味が再現されています。

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そんなこの「テオチョコレートカンパニー」では、創業以来、「フェアトレードのハイグレードなカカオ豆」だけを自ら厳選して取り寄せ、焙煎し、それぞれ異なった風味や味わいの特徴を持つカカオ豆をブレンドするところから、こだわりの信念を今なお揺るがすことなく貫き通しています。

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これまで、おそらく人並み以上にたくさんの種類と味のチョコレートを味わい、食べ比べ、国内外の旅行先に「チョコレート」と名の付く工場やミュージアムがあれば必ずと言っていいほど見学してきたわたしでも、深く頷いてしまうほど、美味しいチョコレートを製造するこの「テオチョコレートカンパニー」。

皆様にはぜひ一度、そして特に、「チョコレートが大好き!」という方にこそ、シアトルを訪れたらこのお店のチョコレートはぜひ忘れずに味わって頂きたい逸品だと思っています。

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いざ、テオチョコレート工場の見学へ!

さて、この記事の最初でお伝えしたこのチョコレートカンパニーの工場見学、私と夫は1度目は2人で、2度目はLAから遊びにいらした夫の義姉さん夫婦と姪の女の子と、計2回に渡りこのツアーに参加しました。

さて、ツアーの予約を事前にホームページで予約し、時間の少し前に到着します。ここで、工場見学に必要なヘアキャップなど手渡され、装着。男性でヒゲをはやしていらっしゃる方にはヒゲ用のキャップも手渡されます。

工場見学記念用の撮影パネルも用意されていますので、このキャップを装着したら、旅の思い出に記念撮影をぜひ、お忘れなく!

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そしてツアーが開始すると、私たちは小さな小学校のクラスルームのようなところに移動します。

ここで、このファクトリーで働くスタッフの方がやってきます。この方が今回の工場見学をすべて一人で案内してくださいます。

私たちに1から丁寧に、まるで学校で教える先生のように、「テオチョコレートがどこで、どうやって、どのようにしてできあがるのか」、をじっくり、しっかりと解説、案内してくれ、私達のわからないことやちょっとした小さな疑問にも、時間をさいて答えてくれます。

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この丁寧な説明と、「美味しいテオチョコレートのそれぞれの味を一つひとつ味わいながら学ばせていただく」工程が終わると、次に、案内は場所を移動して工場の中のカカオ豆を焙煎する中枢部分へと移動します。

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また、最後までこの工場の撮影などはごく一部分を除いて厳禁とされています。が、中程でスタッフの方が「ここなら撮影してもいいよ」、と言ってくださるタイミングが必ずありますので、旅の思い出となる記念の一枚のためにも、ぜひ「その一声」を聞き逃さないようにしてくださいね!

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さてここでようやく「テオチョコレートカンパニーのチョコレートができるまで」のすべての工程の紹介と案内が終わると、このチョコレートファクトリーが併設している「世界でたった一ヶ所」の、「このチョコレートブティックでしか手に入れることのできない希少なボンボンショコラ」
を製造する、少数精鋭のショコラトリーラボの内部を見学できることになります。

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ここでは、このラボの中を見学しながら、それぞれの季節ごとにまったく異なった、ユニークな味から、ヨーロッパでも王道と呼ばれる鉄板の組み合わせまで、様々なボンボンショコラの味見を堪能することができます。

私たちが2回目に参加した時はちょうど夏の頃だったので、季節の食材である、あの野菜の「きゅうり」と「ラベンダー」を合わせた、実に挑戦的な、斬新な味の組み合わせを試すことができました。

また、この見学の1、2回目ともに「プラリネ」というヘーゼルナッツをすりつぶして作るナッツペーストを練り込んだ「ジャンドゥジャ」チョコレートを使った、ヨーロッパで最も愛されている定番のボンボンショコラも用意されていました。

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テオチョコレートカンパニーの工場は、一般の大手チョコレート工場とくらべ本当に小さく、びっくりするようなからくりも仕掛けも、それこそよくヨーロッパのチョコレート工場や博物館で目にするような、チョコレートでできた巨大なお城や大統領のオブジェがあるわけでもありません。

しかし、このまだ小さくて若いテオチョコレートカンパニーが見せる、実直な作り手側の立場を貫き、丁寧なものづくりに対する心構えは、実に感慨深く、非常に好感が持てるものだと思いました。

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最後にこの工場見学が終わると、今回案内してくれたスタッフさんが見学参加者の皆さんに、「ぬりえ付きのハガキサイズよりひとまわり大きめのカード」を配り始めます。

これは強制して押し付けられるものではないので、(私は別にいらないかな?)と、初回に訪れた工場見学の最後には思ったのですが、これ、なんと、この見学参加者だけに配られる、当日限り有効なこの工場に併設された「チョコレートブティックでのお買い物が10パーセントオフ」になる「貴重なおまけ付きのぬりえカード」になっていますので、忘れずにこちらをしっかり受け取ってから、この見学の出口に繋がっているチョコレートブティックへと向かいましょう!

チョコレートブティックでの美味しいお買い物

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このチョコレートブティックの最大の特徴は、何と言っても、普通なら味がわからないから買うことをためらってしまうことも多い、ユニークな味や季節限定の味など、 なんと、どれも「自分で味を見ながら選ぶことができる」ようになっていることです!

この品質のチョコレートでこんな素晴らしいサービスを行うのは、とっても太っ腹なことだと思いました。きっと、このテオチョコレートカンパニーのチョコレートに対する「自信の表れ」だとも言えるでしょう。なので、ここではしっかりお言葉に甘えて、味を試しながら購入することをオススメします。

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比較的広い店内にはどこも所狭しと、様々なチョコレートの数々が並びます。食べ比べできるセットになった「チョコレートアソート」なども揃っていますし、 最近販売開始になった「ターメリックとココナッツ」や、最近話題のスーパーフード、「ヘンプシード(麻の実)とレモン」を組み合わせたチョコレートなど、独創的な組み合わせのチョコレートも揃えられ、個性的な味のお土産をお探しなら、こちらがおすすめです。

また、冬のお土産には、 「ホットチョコレート用のパウダーミックス」もいいかもしれませんね。

それから、お菓子作り用の「クーベルチュールチョコレート(これは今のところカカオのパーセンテージの高いビタータイプの2種類しか製造されていません)」や、マニアックな方ならお好きに違いない「カカオニブ(カカオ豆の外皮を乾燥させて砕き炒ったもの。ナッツのような食感)」なども販売しているほか、なんとこの「テオチョコレートカンパニーのレシピ」を掲載した、「お菓子作りの本」も販売しています!

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海外のお料理本やお菓子本は飾っておくだけでもインテリアになるくらいおしゃれですが、もしお家でも作ってみたい、または、お菓子作りが大好きなお友達へのプレゼントとして(特に、「この本で美味しいチョコレートのお菓子を作ってもらおう、むふふ」と下心がおありでしたら)こちらのお土産、私の個人的ないちおしです!

きっと、チョコレートと一緒にプレゼントすれば、喜んで頂けるに違いありません!

そして、このカンパニーでは、お菓子作りが好きな大人向けの本格的なクラスと、おおよそ4歳から8歳ぐらいまでの子供達を対象として、それぞれの年齢やレベルに応じた「チョコレートを使ったクッキングクラス」も用意されています。

これについての予約や詳しい日程などについては、ホームページの工場見学と同じページから確認することができるようになっています。
(1人あたりの受講料などについては、最後に詳細を記載しております。)

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ところで、私たちがフリーモントにあるこのショコラブティックまで訪れるときは、必ずこのお店の「ボンボンショコラ」を購入します。

ただし、私たちが一番におすすめする、「世界でもこのブティックだけで購入することのできる」この「ボンボンショコラ」には、味見が用意されていません。

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少数精鋭の職人たちがせっせと手作りした「ボンボンショコラ」や「チョコレートパイ(ふわふわの手のひらサイズのスポンジ生地にマシュマロをはさみ、それをたっぷりのチョコレートでぐるりと全面を覆ったお菓子)」、食べ応えのある「ショコラバー」や、店内で焼き上げる「ブラウニー」など、一部ショーケースに並ぶ商品は味見することができませんので、その点はご了承ください。

でもこの「世界でここだけのチョコレート」、せっかくならぜひ一粒、試してみてはいかがでしょうか?

…目移りしてしまうほどたくさんの魅力的な組み合わせが、宝石のように陳列されている中から、一粒だけを選択するのは、至難の技かもしれませんが…。

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さて、そんな私たちが今日購入したのは、挑戦的な味の組み合わせが試さずにはいられなかったこの日のスペシャル、「ハラペーニョとストロベリーのパート・ド・フリュイ(これは伝統的なフランス式のグミのような食べ物ですが、100パーセントフルーツの果汁を使って煮詰めて作るもので、ゼラチンを使用していないため、グミよりももっと繊細な食感です)」と、「ナッツと焦がしたマスコバドシュガー(砂糖キビから作られる、ミネラルと風味豊かな砂糖)を使ったボンボンショコラ」。
…と、ここまでヨーロピアンな雰囲気漂っていた私たち。

しかし!次にその目に飛び込んできた、「ピーナッツバター&ジェリー」の文字に目が釘付けになってしまいました。

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「ピーナッツバター&ジェリー」とは、「ピーナッツバター」と「ジェリー」の組み合わせのことで、アメリカ人の子供から大人まで誰もが大好きなパンに塗る、もしくはサンドイッチにする名コンビの名称です。

日本で例えるなら「ジャム&マーガリン」や「あんマーガリン」のような、昔ながらの、けれど今もなお国民みんなに愛され続ける、「不動のベストセラーコンビ」、というところでしょうか。

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ちなみに、「ピーナッツバター&ジェリー」のこの「ジェリー」の意味は、私たちが想像する、あの「ぷるるんっとした冷やして食べるゼリー」のことではなくて、アメリカでは一般的にイチゴやブルーベリー、マーマレードなど「パンに塗って食べる」あの「ジャム」のことを指します。(一例の写真は「ピーナッツバター」と「いちごジャム」で私が作る黄金色のブラウニー「ブロンディー」です)

とにかく、そんな、まさかのアメリカ人が愛してやまない国民食とも言える「あの組み合わせ」が、こんな洗練された「ボンボンショコラ」の宝石のような一粒の中に凝縮されているなんて!
…ということで、これも迷わず購入です。

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そしてポコっと丘のようにふくらんだ、ひとつまみの塩が振り掛けられた「チョコレートのソフトクッキー」。

これ、手に持ってみると見た目に反して軽く、家に帰るまでチョコレートの分量が物足りなさそうに感じたのですが、食べてみるとまたびっくり。

サクッと軽い表面とフワッと空気を含んだ生地で、噛んだ瞬間は軽いように錯覚するのですが、もぐもぐっと口の中で2、3回噛むと、ものすごく芳醇なチョコレートの香りとしっかりと生地の中に練りこまれたチョコレートの濃厚な味わいが感じられました。

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最後に...

さて、いかがでしたか?

「ゆっくりできなくてもいいから一度に色々見てまわりたい!」という方には、混雑必至ではありますが、日曜日にこのファクトリーの建物の横の通りで開催される「フリーモントサンデーマーケット」と合わせて観光してみるのもオススメです。

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【 Theo Chocolate(テオチョコレート) 】
・営業時間 AM10:00-PM6:00 年中無休
・所在地 
3400 Phinney Avenue North, Seattle, WA 98103

[ チョコレート工場見学ツアー ]
・対象年齢 6歳以上
・所要時間 約1時間
・見学料 10ドル/人数
・開催時間 見学時間、回数は日によって異なります。
(ホームページの予約ページより確認・選択できます)

[ チョコレート教室の価格 ]
・1回の受講料  大人10ドル/子供20ドル
(内容によって価格が変更する可能性もあります)
・HP https://www.theochocolate.com/

筆者:シュローダー彩

ルコルドンブルー卒業後、ピエールエルメ、赤坂のイタリアンレストランでディオールやイタリア大使館などのパティシエを務める。 現在はシアトルに在住。『地球の歩き方』でも記事を執筆。食べる事が趣味。HPはこちら