デザインが独創的な、ロシアの教会建築5選
ハリストス復活大聖堂

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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ロシアと言えば、かつては数多くの皇帝たちが君臨してきた帝国主義のもとで数多くの文化が発展してきたことで知られています。そして世界を見渡すと様々な教会があることはご存知だと思いますが、群を抜いて「独創的で美しいデザイン」が光るロシアの教会建築を今回はご紹介していきたいと思います。

キジ・ポゴスト

ロシア連邦の北西部に位置するキジ島は、ヨーロッパで2番目に大きいとされるオネガ湖にあります。この大きさはなんと琵琶湖の約15倍のスケールです。このキジ島にある木造建築教会、「プレオブラジェンスカヤ教会」と「ポクローフスカヤ教会」を見て行きましょう。

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プレオブラジェンスカヤ教会(左)、鐘楼(中央)、ポクローフスカヤ教会(右)、From wikipedia.org, CC BY-SA 3.0

玉ねぎ型のクーポラがたくさん配された、この教会が<釘を一本も使わずに建てられた>なんて信じられますか?斧一本で作り上げたと言われたプレオブラジェンスカヤ教会は全体で3万枚もの木片を使用し、22個もクーポラが配されており”丸屋根の幻想”と呼ばれているそうです。

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プレオブラジェンスカヤ教会、From wikipedia.org, CC BY-SA 3.0

対を成すポクローフスカヤ教会はプレオブラジェンスカヤ教会に比べて小さめですが、こちらも釘を一本も使用していません。中に入ることが可能です。素朴な印象の内部ですがイコン画で構成されたイコノスタシスが見事です。

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ポクローフスカヤ教会、From ja.wikipedia.org, CC BY-SA 3.0

当時のキジ島には恐るべき建築技術を持った職人が多く集まっていたのです。後に鐘楼も建築され<キジ島の木造建築群>として世界遺産に登録されました。今では世界的にも有名な教会の一つとして、世界中のの方々が見に訪れる名建築になっています。


名称:キジ・ポゴスト (Kizhi Pogost)
住所: Kizhi island, Kizhi 185000, Russia

ワシリー大聖堂

ロシアの首都モスクワにある「ワシリー大聖堂」は、テレビや雑誌などで1度は目にしたことがあるのではないでしょうか?このロシアの最も象徴的な教会は世界遺産にも登録されました。目の前に赤の広場が広がりクレムリンが鎮座する、モスクワ観光では必ず訪れるに違いない場所にあります。

Saint Basil's Cathedral (Собор Василия Блаженного)

ワシリー大聖堂、From vokabre, CC BY-SA

このワシリー大聖堂の前に立つと、あまりのカラフルさに驚き自分がファンタジーの世界に来てしまったかのような錯覚を覚えます。玉ねぎ型のクーポラはそれぞれが異なるデザインや色をしていて飽きませんね。

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ワシリー大聖堂の内部、From anapaulahrm, CC BY-SA

ロシアの教会に特徴的な玉ねぎ型のクーポラですが、これはイワン雷帝の時代に産み出されたロシア独特のデザインで<ロウソクの火>がモチーフだそうです。


名称:ワシリー大聖堂 (St. Basil’s Cathedral)
住所:Krasnaya Sq., 2, Moscow 109012, Russia

ハリストス復活大聖堂

美しい運河が印象的な、ロシア西部の水都サンクトペテルブルグ。かつてロシア帝国の首都だった、この街にあるのが「ハリストス復活大聖堂」です。ここはロシア皇帝アレクサンドル2世が暗殺されてしまった場所です。そこから付けられた”血の上の教会”という別名の方が有名かもしれません。

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ハリストス復活大聖堂、From ranopamas, CC BY-ND

まず外観の壁面にある数多くのモザイク画や、色彩豊かなクーポラに驚かされます。内部も床や壁面から天井ドームに至る全てに施されるモザイク画には、圧巻の一言というほかありません。この教会のそばにあるのがグリボエードフ運河です。夜にこの運河と共に見る幻想的な姿に感動すら覚えます。こちらも世界遺産に登録されています。サンクトペテルブルグを訪れたら、まず行ってほしいオススメの場所ですね。

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ハリストス復活大聖堂、From Sandra Cohen-Rose and Colin Rose, CC BY-SA


名称:ハリストス復活大聖堂 (Church of the Savior on Spilled Blood)
住所:Emb. Kanala Griboyedova, 2 Bldg. B, St. Petersburg 190000, Russia

ヴォズネセーニエ教会

ロシアの首都モスクワ南部のモスクワ川のほとり、コローメンスコエ地区に建っているのが世界遺産にも登録された「ヴォズネセーニエ教会」です。こちらはイワン雷帝の誕生を祝して建設されました。コローメンスコエ地区は歴代皇帝の別荘地として利用され、現在ではモスクワ市民の憩いの場所です。

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ヴォズネセーニエ教会、From xiquinhoCC BY

この教会はロシア特有の玉ねぎ型クーポラと違い、八角尖塔と呼ばれる尖った屋根をしているのが印象的です。真っ白な外観が素晴らしく爽やかで周囲の景観も美しく、ゆっくりした穏やかな時間の中で鑑賞を楽しめますので癒やされますよ。夕日に照らされると、日中とはまた違った顔を見せてくれるのでオススメです。


名称:ヴォズネセーニエ教会
住所:Prospekt Andropova 39, Moscow 154387, Russia

聖イサアク大聖堂

ロシア西部サンクトペテルブルグの中心にある「聖イサアク大聖堂」は世界で4番目に巨大な大聖堂です。ロシアの建築様式を元にイタリア人の建築家がデザインしているので、どこかヨーロッパ風のデザインになっていますよね。
こちらもエルミタージュ美術館などを含む<サンクトペテルブルグ歴史地区>として世界遺産に登録されています。

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聖イサアク大聖堂、From archer10, CC BY-SA

目をひく大きな金色ドームが圧倒されますが、この高さはなんと100メートルを超えています。実際に大聖堂の前に立つと「何この大きさ!」と、写真で見るよりもさらに大きさが際立った迫力が感じられるでしょう。ファザードの彫刻や柱も凝っていて美しいですよね。

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聖イサアク大聖堂の内部、From archer10, CC BY-SA

それから色鮮やかな天井画や壁画で埋め尽くされ金色で縁取られた内部は本当に豪華絢爛です。本当に細かい場所にまで装飾が施されていて、どこから見るのが正しいのかわからなくなるほど凄いです。さらに美しい大きなステンドグラスも一見の価値ありです。別料金を支払うと上の展望台に登ることができますが、ここからは幻想的なサンクトペテルブルグの町並みがぐるりと一望できます。聖イサアク大聖堂に訪れたときには是非登ってみてください。


名称:聖イサアク大聖堂 (Saint Isaac’s Cathedral)
住所:Isaakiyevskaya Sq., 4, St. Petersburg 190000, Russia

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

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