はるか昔、南蛮貿易などで日本と深いつながりがあったポルトガル。今回は、人気の観光スポットから市販のガイドブックにもあまり載っていないような場所まで、この国の見所をポルトガル在住者の視点でご紹介したいと思います。

続編はこちら：「ポルトガル 外せない観光スポット6選」

白い壁に朱色の屋根の町並みがとっても綺麗なポルトガルの首都、リスボン。ポルトガルを訪れる機会があれば、まずはこの美しい町で、どこか懐かしい感じのするこの国の雰囲気を是非味わってみてください。

1. 市電

リスボンのシンボルの一つとしてよく知られている市電は、坂の多いこの町には欠かせない交通手段。ゴトゴト大きな音を立てながら進むレトロな市電やケーブルカーには色々な路線がありますが、お勧めは市電２８番。バイロ・アルト、バイシャ、アルファマの３つの地区を東西に結ぶ長い路線ですが、少しだけ体験してみるなら、アルファマ地区での乗車体験がおすすめ。リスボンで最も古い町並みを残すアルファマ地区では、信じられないくらい狭い道をすり抜けながら進みます。市電の車体と、家々の壁や駐車してある車との距離の近さには、恐怖すら覚えるくらい。観光しながら、ちょっとしたスリルも味わえますよ。

市電２８番 by Ingolf, used under CC BY-SA

2.ベレン地区（ジェロニモス修道院、ベレンの塔、発見のモニュメント）

大航海時代に国外からもたらされた富をつぎ込んで、約１世紀かかって建設された巨大なジェロニモス修道院。中庭を囲む美しい回廊や、天井聖歌隊席から十字架のキリスト像の背に一望できる教会は一見の価値があります。かつて要塞として利用されていたべレンの塔との共通チケットがありますが、日によってはジェロニモス修道院のチケットオフィスが混んでいる場合もあるので、もし両方訪れる予定であれば、まずべレンの塔から行ってみると時間が節約できると思います。また、近くには発見のモニュメントもあり、日本史にも出てくる宣教師フランシスコ・ザビエルも偉人の一人として登場しています。ちなみに、モニュメント前の広場には、1541年には日本が「発見された」と書かれていて、日本人としては少々複雑な気分になります…

ジェロニモス修道院 by Akihito Fujii, used under CC BY-SA

ベレンの塔 by Basilievich, used under CC BY

発見のモニュメント by somma1977, used under CC BY-ND

モニュメント前の広場 by yuka HAYASHI, used under CC BY

住所：Jerónimos Monastery, Praça do Império 1400-206 Lisboa, Portugal

3.レガレイラ宮殿

シントラに行ったら絶対に訪れてほしいのが、レガレイラ宮殿。有名なペナ宮殿やムーアの城跡の影に隠れてスルーされがちですが、この宮殿、ただものではありません。エンターテイメント性抜群です。例えるならば、敷地全体がまるでRPGの世界なのです。宮殿、礼拝堂、美しい庭園や池、地下へと通じる螺旋階段、秘密の地下通路や洞窟、数々の石橋…敷地内いっぱいに、秘密の仕掛けが隠されています。地図を片手に散策すれば、まるで宝の地図を持って探検しているような気分になれますよ。

From foursquare.com

住所：Quinta da Regaleira, 2710-567 Sintra, Portugal

4.ロカ岬／ウルサビーチ

シントラから１５ｋｍほど西に、ユーラシア大陸最西端の岬として有名なロカ岬があります。ポルトガルの有名な詩人カモンイスによる詩の一節の通り、「ここに地終わり、海始まる」場所です。ちなみに、１０ユーロ払うと、ユーラシア大陸最西端到達証明書をゲットすることができます。
ロカ岬のすぐ隣には、まるでビーチを守るようにそびえ立つ尖った岩がかっこいい、ウルサという絶景ビーチがあります。ただし、砂浜に辿り着くには、ロカ岬へと通じる車道のわき道（舗装すらされてない怪しい道）を進み、そこからまるでトレッキングコースのような道をしばらく歩かなければいけませんので、興味のある方は必ず歩きやすい靴の準備を。ちなみに私は、最初正しい道を知らなかったため、行きは迷いまくり、岩をよじ登ったりしてとんでもなく‘よい運動’になりました。

ロカ岬 by Tobias Abel, used under CC BY

ウルサビーチ by Angel Torres, used under CC BY

住所：Cabo da Roca, Estrada do Cabo da Roca s/n, 2705-001 Colares, Portugal