> ルクセンブルグ 〜 ヨーロッパの小国をポイント解説

2015年12月22日

ルクセンブルグ

ルクセンブルグ 〜 ヨーロッパの小国をポイント解説

by Schnuckie

© SergiyN - Fotolia.com

フランス、ドイツ、ベルギーと国境を接するルクセンブルグ。「聞いたことがない国・・」と思われる方も多いかと思います。おとぎ話の舞台になりそうな国でありながら、多くの人にとって未知の国。地理的に重要な位置にあり、ヨーロッパでは、政治的にも、経済的にも、重要な役割を果たしています。そんなルクセンブルグの知られざる魅力をご紹介したいと思います。

どんな国?

正式な国名はルクセンブルグ大公国。国土は神奈川県くらいの広さ、人口は50万人ほどの小さな国です。公用語は、フランス語、ドイツ語、ルクセンブルグ語です。

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by bortescristian, CC BY

緑の多い国としても知られています。ルクセンブルグは、ベルギー、オランダとともにベネルクス3国と呼ばれますが、この3国が「ベネルクス経済連合」を形成したのが、ヨーロッパ連合の起源となっています。小国ながらルクセンブルクに、ヨーロッパ連合の重要機関が置かれているのは偶然ではないわけです。

世界遺産のルクセンブルク市

おとぎ話のイメージそのもの。首都ルクセンブルク市の旧市街と要塞は、世界遺産に指定されています。10世紀に断崖を利用した天然の要塞が誕生し、14~15世紀には市を囲む「ヴェンチェルの環状要塞」が建設されました。全長20キロにも渡る「地下道要塞」も建設され、ルクセンブルク市は、稀に見る強固な城塞都市となりました。けれども、ルクセンブルクの歴史は、侵略の歴史。スペイン、フランス、オーストリアなどの大国の支配も受けました。

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by archer10 (Dennis) (62M Views), CC BY-SA

1815年に独立を果たし、1867年に永世中立国となってからは、要塞は、徐々に撤去されましたが、1948年には永世中立を破棄したため、以降、要塞はそのまま残されることになりました。おとぎ話のようで、ロマンチックでさえある要塞ですが、実は、ルクセンブルクの歴史が刻まれているのです。

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by archer10 (Dennis) (62M Views), CC BY-SA

旧市街には、宮殿(16世紀)、ノートルダム大聖堂(17世記)、アルム広場、市庁舎などの見所があります。建築物には、建築時の支配国の様式が見られ、そこにもルクセンブルクの歴史を感じ取ることができます。

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by James Cridland, CC BY

要塞と古城の国

要塞と古城の国
by 4nitsirk, CC BY-SA

ルクセンブルグ市だけでなく、ルクセンブルグには、たくさんの大小の古城と要塞跡があります。大きな古城としては、ヴィアンデン(Vianden)、ボフォー(Beaufort)、ブアシャイド(Bourscheid)、ブルグリンスター(Bourglinster)、クレアボー(Clervaux)があります。

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by 4nitsirk, CC BY-SA
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by keivi, CC BY-ND

これら以外にも無数ともいえる無名ながら風情のある古城がたくさんあります。例えば、ルクセンブルクの中央部にある「7つの城の谷」(Valley of Eisch)には、37キロの散策道があり、7つの古城を訪ねることができます。(車でも可能です。)

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by Jean & Nathalie, CC BY

本物の要塞の一つテュンゲン(Thüngen)を利用したミューゼー・ドライ・エーへレン(Musée Dräi Eechelen)は、要塞について、その歴史について詳しく学ぶことができる印象深い博物館です。

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by Harshil.Shah, CC BY-ND

金融の国

ルクセンブルグと言えば、ずばり「金融の国」「お金持ちの国」と言うイメージです。国民の経済レベルは世界のトップクラス。現在は、金融だけではなく、IT、メディアなどもヨーロッパをリードする主要な産業です。

農業国から、重工業国へ、さらに金融国へとうまく産業転換を行ってきたのが成功の秘密です。失業率も低く、北欧のような福祉国家ではないものの、貧富の差があまりないとされます。ヨーロッパ連合の重要な金融機関がいくつも置かれ、プライベートバンキングでは、スイスに匹敵する規模とされます。

そんなルクセンブルクならではの博物館が「バンク・ミュージアム・ルクセンブルグ」です。140年の金融の歴史のみならず、「先を行く金融とはどういうものか」を知ることができるでしょう!

グルメの国

グルメの国
by ines s., CC BY-SA

世界有数のグルメ国とされるルクセンブルグ。ミシュランドガイドの星の数が、国民一人あたり世界一とも言われます。けれども、美味しいものが食べられるのは高級レストランだけではありません。地元の小さなレストランで、地元の料理を食べることこそが旅の楽しみですよね!

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by SITCK, CC BY-SA

ルクセンブルグの代表的な料理としては、「そら豆のスープ(Bouneschlupp)」「ハムのペイストリー(Jambon en croute)」「ポテトパンケーキ(Gromperekichelcher)」「うさぎ料理(Jugged Hare)」等があります。

チョコレートの国

Oberweis, Foursquare.com

お土産にも最適、旅行中にも必ず試したいのがルクセンブルクのチョコレート!有名なブランドとしては「オーバーワイス」(Oberweis)が挙げられますが、マーケットで売られている地元のチョコレートなどもとっても美味しいです。

Oberweis, Foursquare.com

また、宮殿近くにある「チョコレート・ハウス」は、チョコレート大好きな人にたまりません! お勧めは、いろんなフレーバーが楽しい「ホットチョコスプーン」と言われるホットチョコレート用のチョコレート。暖かい牛乳に溶かし込むためにスプーン付きになっています。

Chocolate House Nathalie Bonn, Foursquare.com
Chocolate House Nathalie Bonn, Foursquare.com
住所:
16, Grand-Rue, ルクセンブルク, ルクセンブルグ (大きな地図で場所を見る
Foursquare:
Oberweis

白ワインの国

フルーティーな白ワイン(モーゼルワイン)がとても人気です。多くのローカルワインがありますが、あまり生産量が多くないため輸出量が少なく、そのため希少価値が増しているということです。

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by lewismd13, CC BY-SA

ルクセンブルグを訪れたら、貴重なチャンスを逃す手はありません。様々な地元のワインを楽しみつつ、あるいは、ワイナリーツアーに参加して、お気に入りを見つけるというのはどうでしょう。とっても特別な旅のお土産になること間違いなしです。

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by wogo24220, CC BY-ND

緑の国

ミューラータール地方(Müllerthal)は、「小さなスイス」と呼ばれる自然の美しい地域です。110kmに渡るトレイルは素晴らしく整備されており、散策(ハイキング)の途中には、美しい渓谷、湖、川、森、滝、珍しい岩、古城など、多くのサプライズが待っています。

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by jack_of_hearts_398, CC BY

この地域にあるエヒテルナッハ(Echternach)は、ドイツ国境近くのルクセンブルク最古の町で、中世の壁と塔に囲まれた美しい町です。町の歴史は、698年、エヒタナハ修道院の創設に始まりました。町にある2つのバジリカと庭は必見。

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by Barbara Müller-Walter, CC BY-ND
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by bobba_dwj, CC BY-SA

また、マルクト広場、ロココパビリオン、ゴシックハウス、要塞の市庁舎などの中世からの建築物も見所です。エヒテルナッハの「踊りの行進」は、毎年5月に行われる15世紀からの伝統行事です。ユネスコの無形文化遺産にもなっています。

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by Harshil.Shah, CC BY-ND

自転車とエコツアーの国

自転車とエコツアーの国
by kewl, CC BY

ルクセンブルグの国民的スポーツと言えるのが自転車。これまでに、幾人ものツール・ド・フランスの優勝者を排出しています。ルクセンブルグには景観と自然が楽しめる600km以上のサイクリング道があるのも頷けます。難度の高いマウンテンバイクコースから、電気自転車もOKのコースまで様々です。

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by kewl, CC BY

近年、ルクセンブルグで人気が高いのがエコツアー。のどかな田園風景、ブドウ畑、古城跡、緑濃い森、湖や川、丘や山からのパノラマビューを楽しめる自転車の旅、ハイキングが人気です。

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by kewl, CC BY

フランス、ドイツ、ベルギーと国境を接するため、これらの隣国から小旅行で訪れることも十分可能です。ヨーロッパのパワフルな小国ルクセンブルグを、是非、旅のリストに加えてみてください!

筆者 : Schnuckie

シュヌーキー。ヨーロッパ生活が長い40代後半の女性。現在はノルウェーのオスロ在住。ドイツを訪れる機会が多く、イギリスにも5年余滞在。これまで旅した国は、アジア、ヨーロッパを中心に25ヶ国。