更新日:2020年4月13日
知っておきたいコーヒーの産地 グアテマラ
メキシコの南・中米の入り口の国グアテマラ。赤道に近く暑いものの朝晩は冷え込む高山が連なる豊かな大地のお蔭で、コーヒーの木にとって良い環境が整っています。日本でもすっかりお馴染みのコーヒーの産地グアテマラ。実際に農家の人たちはどんな収穫の時期を過ごしているのでしょうか?ちょうどコーヒー豆収穫の季節真っ只中のここグアテマラから、収穫の様子と、有名な生産地の味をリポート致します!
コーヒー豆の収穫
一般的に収穫の時期は雨季が終わって数か月後~3月頃までいっせいに行われます。コーヒーの実は熟すまで収穫できず、熟しすぎると良い豆にならないのでその時期は見逃せません!
それでコーヒー畑を持つ家族は一家総出です。早朝5時前から夕方日が暮れるまで畑へ繰り出し、日雇いで働く若者も大勢います。肩にカゴをぶら下げてピックアップの荷台に乗せられて山を登り、夕方には山積になった豆の袋と共に、真っ黒になって帰ってきます。
Coffee berries in hands, by Roots & Wings International, CC BY-ND
お店もバスなども無い山奥なので、飲み水や昼食は持参。収穫にも参加する主婦にとってはこの時期は多忙極まりない生活です。収穫した豆はそのまま計り買いされ、彼らの貴重な収入源となります。そして収穫が終わると土地を整えて来年に備えます。
この時期になると、豆の外皮を取り除く作業も行われるため至る所が甘酸っぱい香りで一杯になります。もちろん各家庭でも自分たちの家用に庭で豆を乾燥させます。彼らが出してくれる、お鍋で煮出すコーヒーは日本とは違った方法ですが、苦労して収穫した豆の味はひとしおです。
Coffee Please, by Roger Schultz, CC BY
Conscious Cup sack o' beans, by andrew prickett, CC BY-ND
産地と味
・アンティグア
日本でも有名な生産地の一つ。酸味・深み共にバランスが取れていますが特に傑出しているのはその香りの高さ。地元の人達も、ここの豆は世界一アロマティコだ!(香りが高い)と誇る豆です。
・アティトゥラン
とても美しい湖がある観光地ですが、ここの高山で取れるコーヒー豆もまた絶品です。朝晩の冷えがさらに激しいのでしっかりしたコーヒーの実のフルーティな味が楽しめます。酸味が爽やかで後味がさっぱりしています。
Coffee Atitlan, by DaveBleasdale, CC BY
・コバン
一年中湿度が高く、雨量も多いという、嬉しい条件が整っているこの地方はとてもベースのしっかりした味わいのコーヒー豆を提供してくれます。お店で「強い苦いコーヒー」というとこのコバンを薦めてきます。
IMG_3199, by Micah & Erin, CC BY-SA
・ウエウエテナンゴ
とにかく山々が広大な産地で、雨季の湿気と冷え込みが強い大地。寒期は日本の冬のように霜が降りる程。そんな土壌で育った豆は安定していて酸味や苦み、香り共にバランスの良い味です。
Coffee from San Antonio de Huehuetenango, by amslerPIX, CC BY
Coffess of the World, by jgoge, CC BY
基本的にグアテマラの豆は1350m以上の高山で取られた最高品質のSHBを楽しめます。その他にも、ニューオリエンテ地方やフライハネス(首都の近く)など紹介し切れない産地も。各産地では農園を見学できるツアーもあります。アンティグアは街自体が世界遺産としても有名なので、観光がてらツアーに参加してみて下さいね。首都や観光地のスーパーでは産地ごとの豆を選べたり自分好みの味にブレンドしたりもできます。伝統柄の巾着袋を買い、その中に買った豆を詰めるなんていう粋なお土産も喜ばれます。グアテマラを旅される際には是非そんなお買い物も楽しんで下さいね。
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