知っておきたい!ドイツの民族衣装!
by romanboed, CC BY

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年12月23日

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知っておきたい!ドイツの民族衣装!

「ドイツの民族衣装ってどんなの?」と思う方も少なくないでしょう。「ドイツの民族衣装」は各地域に起源を持っており、全土的なものはないため、国民共通の民族衣装ではありません。こんなところにも、画一化されていないドイツの特徴が見えるようです。



ディンドゥル(Dirndl)

有名なミュンヘンのオクトーバーフェストをご存知ですよね。会場で、ビールを運んでくれる女性たちが着ている衣装、これがこの地域の民族衣装・ディンドゥルです。 基本的に、スカーフ(帽子)、ブラウス、スカート(ドレス)、エプロンで構成されています。ウエストコート(一種のベスト)やウールのショールなどが加わることもあります。
Oktoberfest-2012, by ClubTransatlântico, CC BY

伝統にこだわらないディンドゥル

現代のディンドゥルは、可愛い色合いのもの、胸の大きくあいたセクシーなものなど、様々なデザインが見られます。中には高級な素材を使用し、銀のアクセサリーなどがあしらわれた高価なものもあります。 今でこそ、おしゃれで伝統を大事にする女性達、ファッションに敏感な若い女性達が着用していますが、元々は、山岳地帯の老農婦たちが着用した作業服・普段着だったのですよ。
aIMG_2247, by avarty, CC BY-SA

レーダーホーゼン(Lederhosen)

同地方の男性用の半ズボンで、ひざ丈ほどの皮製のズボンです。日本だと男の子が着るサスペンダー付きの半ズボンという感じです。女性用のディンドゥルと同様に、伝統的には、山岳地方で働く農夫たちの作業服でした。皮は、布よりもずっと強く、重労働に適していて汚れにも強いのです。ドイツ南部のバイエルン地方、チロル地方、オーストリアやイタリアのアルプス地方に共通の民族衣装です。
Tyskere i lederhosen, by aktivioslo, CC BY-SA

現在のレーダーホーゼン

現在の民族衣装としては、帽子、シャツにリボンタイ、ジャケット、ハイソックスの組み合わせなどで着用されます。レーダーホーゼンの前ポケットやサスペンダー部分には、刺繍などの飾りが施されているものもあります。多くの場合、地域ごとの特徴ある模様が使われます。 また、実用的にも着用されていて、例えば、ドイツのボーイスカウトでは、現在も、様々な活動で準ユニフォーム的に使われています。
Almdudler Gamstrophy, by _dChris, CC BY

ガムスバート(Gamsbart)

男性用の民族衣装の帽子(アルペンハット)の飾りで、ブラシのようなポンポンです。伝統的には、シャモア(動物)の毛で作られ、帽子の上にのみ飾られていました。ハンターのトロフィー的な存在で、このガムスバートの質と大きさは、着る人の誇りを表していると言われてきました。 現在では、シャモア以外の動物の毛も使われ、帽子だけでなく、服の飾りにも使われるようになっています。
Let's have fun, by mhobl, CC BY-ND

ボレンフート(Bollenhut)

ブラックフォーレスト(Schwarzwald)地方の、女性用民族衣装のエレガントな帽子です。白い縁と、鮮やかな赤色のポンポン飾りが印象的です。この赤色は、ブラックフォーレストのシンボル色でもあります。伝統的には、未婚の女性は赤色、既婚の女性は黒色のポンポン、未亡人や老齢の女性はポンポン無し… ですが、現在は、そんな区分は許されないですよね! ところで、このボレンフート、この地方の有名な「ブラックフォーレスト・チェリー・ケーキ」を思い起こさせませんか?

フリージッシェ諸島の民族衣装

ドイツ北部の北海にある諸島、とりわけFöhr島には、この地域独特の美しい民族衣装があります。ボンネット、美しい銀装飾、ドレスの組み合わせが代表的なものです。興味深いのは、この地域にはこんなにも美しい女性用の民族衣装があるのに、男性用は発展して来なかったことです。今でも、女性達は、クリスマスや伝統的イベントで、好んで着用しています。

ドイツ人にとっての民族衣装

外国人にとっての「ドイツの民族衣装」イメージNo.1である「ディンドゥル」と「レーダーホーゼン」は、ドイツ南部では、現在も、多くの人々が好んで着用しています。結婚式やクリスマスなどのお祝いの際、ちょっとしたパーティーでもよく見かけ、街ではカラフルなディンドゥルが並んだウインドー・ディスプレイを楽しむこともできます。 けれども、ドイツの多くの地域では、民族衣装を見かけることはほとんどありません。プライベートな場面ではほぼ皆無、たまに、伝統的な雰囲気のホテルやレストラン、ミュージアムなどのスタッフが民族衣装風な装いをしているくらいです。
Lechgaufest in Burggen, by Renate Dodell, CC BY-ND

最後に...

男性用のレーダーホーゼンは、かなりユニークで、そこに生まれた男性でない限りなかなか着る勇気はないかと思いますがいかがですか? 女性用のディンドゥルは、デザインや色合いが可愛いもの、カジュアルなものもあるので、たとえ外国人でも、日本の「ゆかた」のような感覚で「着てみたいな…」と感じる人も少なくないのではと思います!
筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。

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