> ル・コルビュジエの建築を訪れるフランスの旅

2016年4月8日

フランス

ル・コルビュジエの建築を訪れるフランスの旅

by café gourmand

東京上野にある国立西洋美術館を訪れた事はありますか?西洋美術品を収蔵する国内屈指の美術館ですが、美術館の本館を設計した人物が近代建築の巨匠とも呼ばれるル・コルビュジエである事はご存知でしょうか。彼は「住宅は住む為の機械である」という考えの元、独創的かつ斬新な建築物を設計し、建築史に大きな影響を与えました。彼の作品は世界中に存在しますが、主な活躍の舞台であったフランスには数多くの見応えのある作品が残っています。それでは、具体的にどのようなものがあるのかご紹介したいと思います。

サヴォア邸

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by End User, CC BY-ND

緑の絨毯の上に浮かぶ白い箱のようなサヴォア邸は1931年に竣工したパリ郊外にある建物です。元は個人の住宅として建てられ、現在では見学可能となっています。コルビュジエが提唱した「近代建築の五原則」(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面)が全て実現されており、今見ても非常にモダンな建物です。

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by End User, CC BY-ND

外側から見ると四角い箱のようなので機能性重視、シンプルな印象ですが、建物内部では階段や浴室などに効果的に使用された曲線や大きな窓から差し込む光が温かみを与えています。

スイス学生会館&ブラジル学生会館

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by dalbera, CC BY

フランス国内でもあちこちに点在するコルビュジエの作品ですが、パリでもそのうちのいくつかを見る事が出来ます。パリ14区にある国際大学都市内には各国に因んだ学生寮があり、そのうちのスイス館とブラジル館の設計にコルビュジエが携わっています。

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by roryrory, CC BY-SA

外観はどちらも柱に支えられて空中に浮かぶ箱の様なピロティ式建築です。建物内は一般に公開されている部分もありますが、現在でも学生寮として使われていますので、見学の際はマナーをきちんと守りましょう。

マルセイユのユニテ・ダビタシオン

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by dalbera, CC BY

コルビュジエの関心は建築物に留まらず、都市計画の分野にも及んでいます。彼は人口過密の進む都市に、高層ビルを立てる事等で問題解決を試みていました。ユニテ・ダビタシオンとは彼の設計した集合住宅を指します。フランス国内にいくつかのユニテ・ダビタシオンが建設されていますが、最も有名なのはマルセイユのものです。

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by Cameron Nordholm, CC BY

337戸を含むこの建物には店舗や公共施設も入っており、まるで小さな町のようです。一部はホテルとして営業していますので、短期滞在も可能です。

ロンシャンの礼拝堂

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by yisris, CC BY

コルビュジエは宗教建築も手掛けており、その中でも有名な作品がロンシャンの礼拝堂です。ロンシャンは元々信仰の篤い土地でしたが第二次世界大戦の空爆により、礼拝堂は破壊されてしまいます。戦後の再建に際し、設計を依頼されたのがコルビュジエでした。

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by scarletgreen, CC BY

出来あがった礼拝堂は伝統的な宗教建築とは一線を画しており、鉄筋コンクリートの使用、蟹の甲羅をモチーフとした屋根が特徴的です。建物内部は分厚い壁の奥にはめ込まれたステンドグラスから差し込む光によって、祈りの場にふさわしい雰囲気となっています。

カップ・マルタンの休暇小屋(キャバノン)

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by nomadpaper, CC BY-ND

これまでコルビュジエの建築物を見て来ましたが、それでは彼が自分や家族の為に建てた建物とはどのようなものでしょうか。それを教えてくれるのが、南フランスはロックブリューヌ・カップ・マルタンに休暇用に建てたカップ・マルタンの休暇小屋(キャバノン)です。

これまでご紹介した大きな建物とは打って変わって、こちらは一辺3.66mの小さな小屋です。けれども彼の設計した備え付けの家具やその配置を見れば、この小屋がどれだけ彼の理論に適っているかを感じられます。

コルビュジエは近代建築史に大きな影響を与えた人物の一人です。彼の発想やデザインは当時の人を驚かせるものでしたが、更に驚くべきは半世紀以上たった現在でも彼の建築は全く古臭くなく、むしろシンプル、モダンかつ機能的で美しさすらも感じさせる点でしょう。時代を経ても色あせない巨匠の才能をぜひその目で確かめに行ってみて下さい!

筆者 : café gourmand

初めてのヨーロッパ旅行でフランスの魅力にはまる。その後フランス語を勉強し始め、留学を経て、1〜2年に一度のペースでフランスへ。有名観光地も好きだけれども、地方の小さな町、村を散策するのがお気に入り。現在はフランス地方都市在住。