> マントン、コクトーも愛した「太陽と海の町」

2015年11月5日

南フランス

マントン、コクトーも愛した「太陽と海の町」

by café gourmand

by nuklr.dave, CC BY

ニースからイタリア方面行の電車に揺られる事約30分。フランス側の最後の停車駅がマントンです。国境沿いの町というと辺鄙な場所を想像しがちですが、マントンはニース同様19世紀末から保養地として人気を集めた海沿いの可愛らしい町です。それまで漁業とレモン作りで生活してきた町は、美しい海を背景に南国の雰囲気が漂います。フランスからイタリアへ向かう時に、ふらっと途中下車したくなるようなマントンの魅力をご紹介します。

まずは海岸へ向かい散歩を

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Public Domain

マントンは海岸沿いの町です。駅に降り立ったらまずは海に向かいましょう。駅を背にそのまま進めば海に着きますが、折角なのでマントンのメインストリート、ヴェルダン大通りを通って海岸に向かいましょう。

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by © Axel Naud, CC BY

この大通りの真横にはビオヴェ庭園が広がります。ここは通りに沿った公園のようになっていて、中央には手入れされた芝生に植物が植えられており、それらをベンチに座って眺める事が出来ます。庭園を挟んで向こう側の道には、観光案内所がありますので地図などを手に入れて行くのも良いでしょう。

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by Daniel70mi, CC BY

ヴェルダン大通りつきあたりのカジノの裏側が海岸沿いの散歩道、その名もプロムナード・デュ・ソレイユ(太陽の散歩道)です。南フランス特有の明るい日差しを受けながら、眩しい程青い地中海を眺めつつ散歩を楽しみましょう。

ジャン・コクトーの作品にふれる2つの美術館

海岸沿いの道をずっと進むと、2つの美術館に出くわします。驚くべきことに、この美術館は両方ともマントンの町と関係の深いジャン・コクトーに関わる美術館です。ジャン・コクトーは詩人、作家、画家、映画監督等、20世紀の芸術の分野で多方面に渡って才能を表した人です。

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Public Domain

晩年、コート・ダジュール地方で創作活動を行った彼は、マントンにもその足跡を残しており、その代表的な例と言えるのが要塞美術館です。海岸沿いで町を防御していた17世紀の要塞はかつての役割を失い、これを見たジャン・コクトーはこの建物を美術館にすることを決意します。彼は要塞の改修自体にも関わり、建物外部は彼のモザイクで飾られています。内部では、パステル画「恋人たち」をはじめとして絵画、陶器などが鑑賞できます。

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by tm-tm, CC BY-SA

一方、もう一つの美術館、ジャン・コクトー美術館は要塞美術館とは打って変わってモダンな建物が印象的です。こちらは、コクトー作品の収集家としても有名な実業家セヴラン・ワンダーマン氏のコレクションを中心に2011年にオープンしたものです。

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by Tim Gage, CC BY-SA
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by psd, CC BY

もう一つのコクトーの足跡、市庁舎の結婚の間

マントンとコクトーの関係の深さを表すものが町にはもう一つあります。それが町の中心の市庁舎にある、結婚の間です。フランスでの結婚は市役所で手続きを行うのは日本と同じですが、婚姻日当日にカップルは市長の前で婚姻の宣誓を行います。

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by Tim Gage, CC BY-SA

マントンの市庁舎の結婚の間は、当時の市長のジャン・コクトーへの依頼により実現しました。この部屋は正面の若い男女の絵をはじめとして、天井、左右の壁全てジャン・コクトーの壁画に囲まれています。この結婚の間は観光客の見学も受け付けていますので、コクトーの世界に存分に浸りたい方は必見です。

美しいバロック建築の建物が織りなす旧市街

コクトーに関する2つの美術館から北の方角に進むと広がるのが旧市街です。バロック様式の建物が並ぶ旧市街は、良くある観光地というよりは地元の人の生活が垣間見られる場所になっています。クリーム色やオレンジ色の壁の可愛らしい建物に囲まれながら散歩をすれば、コート・ダジュール地方の雰囲気を満喫する事が出来るでしょう。

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by Galli Luca, CC BY

旧市街は丘に広がっている為、見所を回るには階段を上っていく必要があります。広場のモザイクやその美しさで有名なバロック式建築のサン・ミッシェル教会や正面ファサードが美しい白苦業会礼拝堂を通り、丘の頂上にある古城の墓地まで辿り着いたら是非今来た道を振り返って見て下さい。真下には旧市街、東側に旧港とイタリアまで続く青い海が見下ろせる絶景となっています。

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by peatc, CC BY-SA

マントンとレモンの関係

マントンは温暖な気候に恵まれた町ですので、レモンをはじめとした柑橘類の生産が盛んです。その為、お土産にもレモン味のものやレモンの香りのものが良く見かけられます。毎年カーニバルの時期(2月から3月頃)になると、マントンではレモン祭りが開催されます。

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by lcarles, CC BY-SA

レモンやオレンジ等の柑橘類を使用してつくった山車が町を練り歩き、海の青と柑橘類の黄色やオレンジとのコントラストがいつも以上にマントンの南国的な雰囲気を盛り上げます。

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by lcarles, CC BY-SA

筆者 : café gourmand

初めてのヨーロッパ旅行でフランスの魅力にはまる。その後フランス語を勉強し始め、留学を経て、1〜2年に一度のペースでフランスへ。有名観光地も好きだけれども、地方の小さな町、村を散策するのがお気に入り。現在はフランス地方都市在住。