南フランス旅行に行こう! 〜 コート・ダジュール編
パリ、モン・サン・ミッシェルと共にフランス旅行の目的地として人気の南フランス。一口に「南フランス」と言っても、西は大西洋、東はイタリアに接しており、各地方によってその特色はかなり異なります。けれども日...
更新日:2020年4月13日
フランス第二の商業都市、リヨンは「美食の街」という顔も持っています。地理的に、ボージョレ、ローヌ、ブルゴーニュのワイン、ブレスの鶏肉、シャロレー牛といった美味しい食材の産地に囲まれている上、歴史的にはルネサンス時代にいち早く当時の文化的先進国であったイタリアの影響を受けた事等が理由に挙げられるでしょう。
リヨンには「ブション」と呼ばれる大衆食堂が多く軒を連ねます。ブションでは、気取ったフランス料理を出すのではなく、リヨンの伝統料理である素朴な家庭料理を味わう事が出来ます。では、ブションで食べられる、リヨンの伝統料理をご紹介していきましょう。
フランスでレストランに行くと、大抵ムニュ(定食)かアラカルト(単品)から選択することになります。ムニュは、前菜、メイン、チーズ又はデザートの3皿で構成されており、リヨンのブションで定番の前菜がリヨン風サラダです。
Steve’s chèvre salad., by ironypoisoning, CC BY-SA
サラダですので、お店や家庭によって多少の違いはありますが、リヨン風というとグリーンサラダにポーチドエッグ、ラルドン(ベーコンのようなもの)を炒めたもの、クルトンが入っており、ドレッシングで味付けされています。まずはカリカリのクルトンとラルドンを、次は卵をつぶして黄身を絡めて楽しんで下さい。
Lyonnais salad., by ironypoisoning, CC BY-SA
メインで良く見かけるのはソーセージです。リヨンの郷土料理には動物の内臓を利用したものが多いのですが、ソーセージにもその傾向が見られます。
France 2010, by adamisserlis, CC BY
ブションで良く提供されるのは、豚の内臓、肉等を詰めたアンドゥイエット、豚の血、脂を腸詰めしたブーダンノワール等です。
Many sausages!, by ironypoisoning, CC BY-SA
牛の第二胃袋(ハチノス)を茹でたものに、パン粉をつけてカリッと焼いた料理です。形が工兵の前掛けに似ている事からこの名前が付きました。内臓料理はその独特の臭いの為に敬遠する人が多いとは思いますが、こちらは下準備の段階で臭みが取れるまで香草や野菜と一緒に数時間煮込んでいます。外はカリッ、中はふっくらとした食感が楽しめます。
Quenelles and Tabliers de sapiers., by Lucius Kwok, CC BY-SA
海に面していないリヨンでは珍しい魚料理です。白身魚の身をすりつぶしたものに、卵、バター、小麦粉等を混ぜラグビーボールのような形に成型しオーブンで焼きます。
焼きあがったら、ソースをかけて頂きます。歯触りがふわふわとしており、まるで日本のはんぺんのようです。白身魚ですので、味はソースが決め手となります。リヨンでは、川魚である川カマスを使います。
内臓料理の上に、今度は脳みそ?と思われるかもしれませんがご安心ください。こちらは、本物の脳みそではなく、フロマージュ・ブランを塩コショウやお酢で味付けしたものに、エシャロットや香草を混ぜたものです。
絹の街、リヨンの絹織物職人達が朝食のパンにぬって食べていたこと、見た目が脳みそのようだったことからこの名が付けられました。フランスではメイン料理の後、デザートの前にチーズを食べる習慣がありますので、このタイミングで食べても良いですし、アミューズとして食べても美味しい一品です。
Cervelle Des Canuts Et Sa Baguette De Campagne, by katrina.alana, CC BY-ND
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