ルノワールの愛した風景を求めて、南仏カーニュ・シュル・メールへ
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まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年4月13日

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ニースから車で15分ほど行くと、南仏の小さな町カーニュ・シュル・メールが見えてきます。この町を愛した印象派の巨匠オーギュスト・ルノワールが最後に過ごした家がルノワール美術館として開放され、世界中からファンを集めています。

France/Cagnes-su-Mer: Renoir's House

by Zen Voyager, used under CC BY

彼の愛した景色、それはオリーブの林や花で飾られた家々、その間から覗く青く透き通った地中海。カーニュ・シュル・メールには南仏の美しい自然と共生した暮らしが詰まっています。絵画ファンならずともここからの景色は見てほしいです。

ルノワールの家で芸術を感じる

美しい肖像画、オリジナリティーのある画法が完成したルノワールの後期の作品が生まれたのがカーニュ・シュル・メールの家でした。敷地には象徴的なオリーブの木が生え、広い庭からは素晴らしい南仏の町の眺めが広がります。

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by Zen Voyager, used under CC BY

この家はコレット荘としてルノワールとその家族に愛されてきました。今では美術館になっていて、ルノワールが「裸婦像」などを何枚も創造したアトリエが見学できます。体が思うように動かなくなっても車いすで絵を描き続けた、ルノワールの絵画への愛がしのばれる空間がそのまま保存されています。

France/Cagnes-su-Mer: Renoir's House

by Zen Voyager, used under CC BY

彼の息子でフランス映画界の巨匠ジャン・ルノワールの、「草上の昼食」にでてくる小屋はこの敷地の一角に。作家のプライベートな空間を感じながら絵を見ていると、すぐそこにルノワールやその家族が暮らしているような気がします。家族が愛した風景は今も残され訪れる人を迎え入れてくれます。

中世の景色が残る鷹巣村、オ・ド・カーニュへ

ルノワールの家から眺められる景色に、緑に囲まれた高台の上の村があります。緑色の部分が鷹の巣のようなので、南仏独特の鷹巣村といわれています。

この地域はオ・ド・カーニュといい、古くは中世の街並みが保存された旧市街になっています。石造りの急な狭い坂はグリマルディ城に続きます。この城を中心に中世のお祭りがおこなわれるのも夏場のお勧め。


From foursquare.com


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日本人芸術家、藤田嗣治も訪れ、女優グレタ・ガルボにも愛されたカーニュの静かで美しい風景を探しに、旧市街を歩いてみませんか。今でも職人が住む狭い路地を歩けば新しい発見ができる、どこを歩いても絵になる小さいけれど美しい南仏らしい街です。

筆者:まっぷるトラベルガイド編集部

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