更新日:2020年4月13日
ヨーロッパ フェルメールを巡る旅
「光の魔術師」と呼ばれ、世界中に愛好家のいる17世紀オランダの画家、フェルメール。日本でもしばしばフェルメール展が開かれますが、一度に鑑賞できるのは数点だったり、長い行列の果てに鑑賞できるのは入れ替わり式で数分間・・・などということもしばしば。次回はもっとゆっくり鑑賞してみたい、という方は、フェルメール作品全30数点中、22点を有するヨーロッパで鑑賞されるのはいかがでしょうか。フェルメールファンはもちろん、まだ実物をご覧になったことが無い方も実物を見たら虜になってしまうかもしれませんよ。
デン・ハーグ マウリッツハウス美術館
フェルメールといえばこの美術館を外すことはできません。アムステルダムから電車で約45分、デン・ハーグ中央駅近くにあるマウリッツハウス美術館は17世紀オランダ・フランドル絵画の名作を集めた小さな美術館ですが、映画の題材にもなった代表作「真珠の耳飾りの少女」をはじめ、「ディアナとニンフたち」、「デルフトの眺望」のフェルメール作品三点を所蔵。
真珠の耳飾りの少女, by jimmiehomeschoolmom, CC BY
ディアナとニンフたち
デルフトの眺望, by jimmiehomeschoolmom, CC BY
また、ここで「デルフトの眺望」を鑑賞したあとは、ぜひ電車でデン・ハーグから10分程度のデルフトの街にも足を延ばしてみて下さい。デルフトはフェルメールが生誕し、生涯のほとんどを過ごした街。駅から徒歩10分程度の場所にはフェルメールセンターがあり、全作品の実物大パネルや製作材料などが展示されています。街を歩いて作品と比較し、17世紀のオランダに思いを馳せてみては。
Mauritshuis Den Haag, by Singa Hitam, CC BY
アムステルダム 国立美術館
フェルメール・レンブラント・ゴッホなどをはじめ、オランダ絵画を中心に膨大な所蔵品のあるアムステルダム国立美術館。ここは最盛期のフェルメール作品を4点も所有、一度にたくさんのフェルメール作品を鑑賞できる世界でも数少ない場所の一つです。
人気の高い「牛乳を注ぐ女」を筆頭に、「手紙を読む青衣の女」「恋文」「小路」を所蔵。歴史ある建物ではありますが、約10年の改装期間を経て2013年にリニューアルオープンしたため内部は新しく、おしゃれな雰囲気のカフェやショップも人気です。
牛乳を注ぐ女, by archer10 (Dennis) (70M Views), CC BY-SA
ウイーン 美術史美術館
こちらもヨーロッパを代表する美術館の一つ、ウイーンの美術史美術館。フェルメール作品は「絵画芸術」の一点のみですが、この作品はフェルメール自身がお気に入りで生涯手元に置いて過ごしたと言われており、見逃せない作品の一つです。
kunsthistorisches-museum-wien-wien-museen-bauwerke, by P. Lucas, CC BY
こちらの美術館では作品鑑賞はもちろん、天井のすみずみにまで装飾の施されたカフェに立ち寄ってオーストリア菓子をいただいてみて。「世界で一番美しいカフェ」とも言われており、ウイーン名所の一つにもなっています。
絵画芸術, by dou_ble_you, CC BY-SA
ロンドン
The National Gallery – ed, by Gordon Chirgwin, CC BY-ND
ロンドンでは、複数の場所に分かれてはいますがフェルメール作品4作品を見ることができます。ナショナル・ギャラリーにあるフェルメール晩年の作品「ヴァージナルの前に座る女」および「ヴァージナルの前に立つ女」、ケンウッド・ハウスにある「ギターを弾く女」、王室所有の「音楽のレッスン」です。
ヴァージナルの前に立つ女, by jimmiehomeschoolmom, CC BY
「音楽のレッスン」については季節により、バッキンガム宮殿やウィンザー城など異なる場所で展示されていますので、事前に確認が必要。ナショナル・ギャラリーは入場料無料ですので、ふらっと立ち寄って気軽に見学することができます。
0378-National-Gallery, by xiquinhosilva, CC BY
パリ ルーブル美術館
musee du louvre, by happy_serendipity, CC BY-SA
ヨーロッパで美術鑑賞といえば、やはりルーブル美術館を抜きにして語ることはできませんが、こちらにもフェルメール作品が2点所蔵されています。「レースを編む女」「天文学者」の二点です。「レースを編む女」は、比較的小さな作品が多いフェルメール作品の中でも23.9×20.5cmと最小サイズの作品。
レースを編む女, by ironypoisoning, CC BY-SA
全ての作品を見るには一週間かかるといわれているルーブルの中では見過ごしてしまいそうな小さな作品ですが、やはり珠玉の光を放っていますので、お見逃しなく。
天文学者, by ironypoisoning, CC BY-SA
Musée du Louvre, by House of Hall, CC BY-SA
このほかドレスデン(ドイツ)やスコットランドなどにも作品が点在していますが、今回は日本から行きやすそうな場所やフェルメール作品に欠かせない場所を取り上げてみました。ヨーロッパでもフェルメールは人気がありますが、どの美術館も他に所蔵する作品の数も多く、展示室の中に自分だけというようなこともしばしばで、とてもゆっくりと鑑賞することができます。ぜひいくつか巡ってフェルメール作品を自分の目に焼き付けてくださいね。
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