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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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フィレンツェ、ポンテ・ヴェッキオ周辺 活気あふれる下町めぐり

アルノ川に架かるポンテ・ヴェッキオを越えて左岸へ行くと、商店や工房が並ぶ庶民的なエリア。人々の日常の姿を眺めることができる。





ACCESS

アルノ川の南のこのエリアへは、バスD線がサンタ・マリア・ノヴェッラ駅から出ている。ドゥオモからシニョリーア広場を経由してポンテ・ヴェッキオまで徒歩10分。





おすすめ!おさんぽコース【所要時間の目安 約5時間50分】

START ドゥオモ

⬇ 8分



1 ポンテ・ヴェッキオ 見学時間40分

⬇ 7分



2 ピッティ宮 見学時間1時間

⬇ 5分



パラティーナ美術館 見学時間1時間30分

⬇ 5分



ボーボリ庭園 見学時間1時間

⬇ 8分



3 サント・スピリト教会 見学時間30分

⬇ 6分



4 サンタ・マリア・デル・カルミネ教会 見学時間30分

GOAL





街の歩き方

オルトラルノ(アルノ川の向こう側という意味)と呼ばれるこのエリアは、ピッティ宮など華やかな建物が建つ一方、職人の工房が多いことでも知られる。小さな路地や教会の広場に漂う下町の雰囲気を感じに、思うままに散策するのもいい。



アルノ川に架かる個性的な橋 ポンテ・ヴェッキオ Ponte Vecchio

街を南北に分断するアルノ川に架かる橋のなかでも、その美しさでいちばんよく知られている。洪水によって流された橋は1345年に再建され、現在でもその姿を残している。2階構造の橋のうち1階を歩くことができ、両脇にある店は当初野菜や肉屋が多かったが、現在は彫金細工店や宝石店が軒を連ねている。橋全体の姿はアルノ川沿いから眺めるのがおすすめ。

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貴金属を扱う店が多く、ショッピング客で賑わう橋上

ヴァザーリの回廊

橋は上下2層になっていて、2階部分はかつてヴェッキオ宮やウッフィッツィ美術館とピッティ宮を結ぶ通路として使用されていた(予約制で入場可、修復工事で閉鎖の予定あり)。

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日時計

1345年の橋の再建時には白大理石の日時計も設置された。

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チェッリーニ像

橋の中央にたたずむ像は「貴金属細工の父」と呼ばれるチェッリーニ。フィレンツェ生まれの金銀細工師にして彫刻家。

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ポンテ・ヴェッキオ

現地名:
Ponte Vecchio
住所:
Ponte Vecchio
地図を見る »
アクセス:
シニョリーア広場から徒歩5分

5つの美術館がある宮殿 ピッティ宮 Palazzo Pitti

15世紀半ばに豪商ピッティがブルネレスキに建設させ、その後コジモ1世が病気の妻のために買い取り大改築した。広大な敷地にはパラティーナ美術館など5つの美術館やボーボリ庭園がある。

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立派な宮殿と庭園のコラボレーションが美しい

ピッティ宮

現地名:
Palazzo Pitti
住所:
Piazza dei Pitti 1
地図を見る »
アクセス:
ポンテ・ヴェッキオから徒歩3分/サンタ・マリア・ノヴェッラ駅からバスエコロジーバスDでピッティ広場下車、徒歩1分
営業時間:
8:15~18:20
定休日:
月曜 
Webサイト:
http://www.polomuseale.firenze.it/musei/pitti.php?m=palazzopitti

メディチ家収集の名画を展示 パラティーナ美術館 Galleria Palatina

ピッティ宮の2階にあり、メディチ家が収集した名画を展示。なかでもラファエロやティツィアーノの作品は必見。ルーベンス、カラヴァッジョ、フィリッポ・リッピなど、巨匠らの作品も所蔵する。

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パラティーナ美術館

現地名:
Galleria Palatina
住所:
Piazza dei Pitti 1
地図を見る »
アクセス:
ポンテ・ヴェッキオから徒歩7分
営業時間:
8:15~18:00(閉館は18:50)
定休日:
月曜、一部祝日 

メディチ家のイタリア式庭園 ボーボリ庭園 Giardino di Boboli

16世紀半ばにコジモ1世が、病弱な妻エレオノーラのために造ったトリボロ設計による広大な庭園。噴水や洞窟、彫刻など、スケール感を出すための仕掛けがある。庭園上部からの眺望も良い。

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庭園を上っていくと、美しい市街の姿が現れる

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バッカスの噴水にある亀に乗った小人像はコジモ1世の忠臣がモデル

ボーボリ庭園

現地名:
Giardino di Boboli
住所:
Piazza dei Pitti 1
地図を見る »
営業時間:
8:15~17:30(1・2・11・12月は~15:30、3月は~16:30、6~8月は~18:30)、閉館は各1時間後
定休日:
第1・最終月曜、一部祝日 

簡素な外観と壮麗な内装 サント・スピリト教会 Basilica di Santo Spirito

1444年、サン・ロレンツォ教会を手がけたブルネレスキの設計により建築が始まったが、すぐに彼が亡くなったため弟子たちが引き継ぎ、1481年に完成した。しかしファサードは未完成のままとなっている。内部はベルニーニが「世界で最も美しい教会」と称賛。フィリッポ・リッピ作『聖母子とサン・ジョヴァンニーノ』が飾られている。

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主祭壇の典雅なバロック様式はこの教会の華

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シンプルな外観。特徴的なバラ窓はペルジーノのデザイン

サント・スピリト教会

現地名:
Basilica di Santo Spirito
住所:
Piazza S. Spirito
地図を見る »
アクセス:
ポンテ・ヴェッキオから徒歩5分
営業時間:
10:00~12:30、16:00~17:30(日曜、祝日は16:00~17:30)
定休日:
水曜 
Webサイト:
http://www.basilicasantospirito.it

初期ルネサンスの壁画が残る サンタ・マリア・デル・カルミネ教会 Chiesa di Santa Maria del Carmine

堂内のブランカッチ礼拝堂には、マザッチョ作の『楽園追放』『貢の銭』など、ボッティチェッリやレオナルド・ダ・ヴィンチたちが学んだという壁画がある。画面の建物は透視図法であり、背景は自然のままに描かれている。

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ブランカッチ礼拝堂へは正面右の入口から入る

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内部は明るく、数々のフレスコ画が残る

サンタ・マリア・デル・カルミネ教会(フィレンツェ)

現地名:
Chiesa di Santa Maria del Carmine
住所:
Piazza S. Maria Carmine
地図を見る »
アクセス:
ポンテ・ヴェッキオから徒歩12分
TEL:
055-2768224
営業時間:
10:00~16:15(閉場は17:00)、日曜は13:00~
定休日:
火曜 

10分ですぐわかる メディチ家ヒストリー

ルネサンスの立役者
銀行業の成功で絶大な財力を有したメディチ一族は、政治にも進出。1434年にはフィレンツェ共和国の実質上の支配者となり、1737年まで支配体制が続く。文化への関心も高く、パトロンとして数々の偉大な芸術家を育てた。メディチ家が建てた豪華な宮殿やモニュメントは今も街を彩っている。

メディチ家の重要人物

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[ P ] Pontormo - Portrait of Cosimo de' Medici the Elder (1520), by Cea., CC BY

コジモ
Cosimo il Vecchio(1389〜1464年)

父から引き継いだメディチ銀行を拡大し、大富豪となる。公共建築への資金提供や芸術家を厚く支援し「祖国の父」と呼ばれた。

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The Uffizi, by The Consortium, CC BY-SA

ロレンツォ
Lorenzo il Magnifico(1449〜92年)

コジモの孫。フィレンツェ最盛期の功労者で、ミケランジェロなどのパトロン。弟を反対派に暗殺されるも、一般市民の人気は絶大だった。

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[ R ] Raphaël - Portrait of Pope Leo X with Cardinals Giulio de' Medici and a Luigi de' Rossi (1518), by Cea., CC BY

レオ10世
Pope Leo X(1475〜1521年)

本名はジョヴァンニ・デ・メディチといい、ロレンツォの次男でローマ教皇。フィレンツェ追放となっていたメディチ家を復権させた。

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コジモ1世
Cosimo I de’ Medici(1519〜74年)

17歳で当主となり、領土拡大と軍備強化を図る。教皇に働きかけ、トスカーナ大公となると、妻のためにピッティ宮などを手に入れた。

フィレンツェに残るメディチ家ゆかりのスポットへ

サン・ロレンツォ教会 Basilica di San Lorenzo
一族を埋葬する礼拝堂がある。質素な外観に反して内部はとても豪華。

メディチ・リッカルディ宮 Palazzo Medici-Riccardi
一族の邸宅を見学すれば、豪華な暮らしの一端に触れることができる。

パラティーナ美術館 Galleria Palatina
メディチ家が収集した名画を29の部屋に展示。ラファエロの傑作もある。

サン・マルコ美術館 Museo di San Marco
メディチ家の建てた修道院で、修道僧のフラ・アンジェリコの絵画を保存。

ヴェッキオ宮 Palazzo Vecchio
メディチ家歴代当主のかつての政治活動の拠点。金箔を使った内装は豪華。

ピッティ宮 Palazzo Pitti
豪商ピッティが建てた居宅で、1549年にコジモ1世が館主となった。

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奥付:
この記事の出展元は「まっぷるイタリア’18」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2016年10〜12月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。料金・価格の単位は、ユーロ(€)で表示しています。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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