2017年9月8日

イタリア

ミラノ・ナヴィリオ地区 昔の情緒漂う運河の街を行く

by Fish & Tips

Canal de Milan
by fotolia - ©jasckal

キリスト教以前の古代遺跡上に造られたサン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂からポルタ・ティチネーゼ通りを南へ向かい、5月24日広場から西へグランデ運河に沿って歩いていく。

街歩きコース

古代の名残を見つけに南西地区を歩く
ミラノの南西部には古い教会がいくつか残っている。代表的なものが、サンタンブロージョ教会、そして、サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂だ。教会前の広場には古代ローマ時代のコリント式の円柱が並び、中ほどにはキリスト教信仰の自由を認めた313年の「ミラノ勅令」を記念して作られたコンスタンティヌスの像(複製)が立っており、その起源の古さを物語っている。ここでの見どころは、なんといってもサンタクイリーノ礼拝堂だ。4世紀に建てられた八角形の礼拝堂の内部にはモザイクや壁画が残されており、さらに祭壇裏の地下に下りれば、近隣にあった古代劇場の石材を利用した基礎構造を見ることができる。

聖堂をあとにして、ポルタ・ティチネーゼ通りを南へ向かう。ティチネーゼとはラテン語由来で、古代ローマ時代に「パヴィア方面」を意味していたように、この道はひたすらまっすぐ行けばパヴィアにたどり着く。そんなことを思いながらブティックが並ぶ通りを歩いていると、やがて巨大な門にぶつかる。ティチネーゼ門が屹立する5月24日広場だ。ここは都の南の玄関であり、当時は中に入る者は通行税を納めなければならなかった。

都の経済を支えた運河に古の面影を追う
5月24日広場の西側には3本の水路がある。中世末期にはミラノ市街をぐるりと囲んでいた運河の名残だ。今でも随所に、たとえば、街の北にあるヌオヴァ門の内側にも跡を見ることができるが、大方は塞がれてしまっていて昔日の様子はうかがえない。
3本の水路のひとつ、グランデ運河の界隈にはピッツェリアやリストランテが集まり、夜はことのほか賑やか。毎月最終日曜日には大規模なアンティーク市が立つなど、庶民的な雰囲気が人をひきつける。しかし、運河に沿ってしばらく歩いていくと喧騒は遠ざかり、都会ミラノとは違う一面を味わうことができる。

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ナヴィリオ地区にはアンティークやヴィンテージ・ショップが多く集中する

START

3号線 ミッソーリ駅

↓ 8分

①サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂

初期キリスト教のモザイク画も必見
正面に16本のコリント式円柱が並ぶ独特の構造を持つ。円柱は2〜3世紀に建造された古代ローマの神殿にあったもので、4世紀にこの地に移築された。円柱をくぐった広場には、313年にキリスト教を公認する「ミラノ勅令」を出したコンスタンティヌス帝の彫像がそびえる。聖堂は4世紀末の創建。中世期に火災によって焼失したが、11〜12世紀にかけて再建・修復された。内部の構造は円形の集中式プランによる。身廊上のクーポラは1573年に倒壊し、16世紀末にマルティーノ・バッシが再建。現在の八角形のダイナミックなクーポラが完成した。八角形の各面に大窓が配され、そこから差し込む光が美しい。

内部のいちばんの見どころは、身廊右にあるサンタクイリーノ礼拝堂だ。4世紀の建造で、キリストと使徒を描いた初期キリスト教時代のモザイク画が残る。身廊左の聖シクストゥス礼拝堂も初期キリスト教時代の建物で、17世紀にフレスコ画の装飾が施された。

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4世紀末期から5世紀初めにかけて建立。ミラノで最も古い教会のひとつ。

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聖堂前に立つのはコンスタンティヌス帝の像

サン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂

現地名:
Basilica di San Lorenzo Maggiore
住所:
Corso di Porta Ticinese 39
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アクセス:
メトロ2号線サンタンブロージョ駅から徒歩10分
TEL:
02-89404129
営業時間:
8:00~18:30(日曜、祝日は9:00~19:00)
定休日:
無休 
Webサイト:
http://www.sanlorenzomaggiore.com

↓ 1分

②ポルタ・ティチネーゼ通り

ミラノ中心部と下町ナヴィリオを結ぶ大通り。ミラネーゼが普段使いするバールやピッツェリア、食料品や衣料品店が並び、活気にあふれる。

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ドゥオモ界隈とひと味違う雰囲気

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古代ローマ時代に南のパヴィアへ向かう道として建設された。

ポルタ・ティチネーゼ通り

現地名:
Corso di Porta Ticinese
アクセス:
メトロ2号線 Porta Genova ポルタ・ジェノヴァ駅から徒歩10分

↓ 8分

③5月24日広場

中心街と下町ナヴィリオの境にある大広場。近くには、19世紀に建造されたティチネーゼ門や、かつての運河の面影を残す船着き場ダルセナがある。

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マレンゴの戦いでの勝利を記念して、ナポレオンの命令で建てた凱旋門がある。

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5月24日広場にある常設市場

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素顔のミラノの暮らしが垣間見える界隈だ

5月24日広場

現地名:
Piazza X X IV Maggio
住所:
Piazza X X IV Maggio
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アクセス:
メトロ2号線ポルタ・ジェノヴァ駅から徒歩10分

↓ 6分

④グランデ運河

運河の街・ミラノの面影を残す水路
12〜19世紀、ミラノは運河に囲まれており、水路が交通・商業の要だった。20世紀前半までに運河のほとんどが埋め立てられたが、近郊の街パヴィアに通じるグランデ運河は残り、かつての雰囲気をたたえる。水路脇の昔の洗濯場、鉄橋などは情緒もひとしおだ。現在、運河沿いには、ミラネーゼに人気のレストランやナイトスポット、画廊や書店、アンティーク店などが並んでいる。

Canal de Milan
by fotolia - ©jasckal

かつては街を囲んでいた運河の一部。船着き場のダルセナに荷が到着し、そこから街の中に運ばれた。

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ナヴィリオの運河沿いにはミラネーゼに人気のトラットリアが並ぶ

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新鮮な野菜を売る店も多い

グランデ運河

現地名:
Naviglio Grande
住所:
Naviglio Grande
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アクセス:
メトロ2号線ポルタ・ジェノヴァ駅から徒歩3分

ナヴィリオのアンティーク市 Mercatone dell’Antiquariato sul Naviglio Grande

毎月最終日曜に、ナヴィリオの運河沿いで大骨董市が開かれる。アンティークの時計やアクセサリー、食器、古本、絵画、生活雑貨など多彩なジャンルを扱う露店が並び、良質な品物が多いのが特徴だ。
Naviglio Grande 毎月最終日曜9:00頃〜18:00 7月休

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ナヴィリオの骨董市

現地名:
Mercatone dell'Antiquariato sul Naviglio Grande
住所:
Naviglio Grande
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アクセス:
メトロ2号線ポルタ・ジェノヴァ駅から徒歩5分
営業時間:
毎月最終日曜8:30~18:00(12月は第3日曜)
定休日:
7月 

↓ 6分

GOAL

2号線ポルタ・ジェノヴァ駅

移動時間約30分

その他の見どころ

サンタ・マリア・プレッソ・サン・チェルソ教会

後期ルネサンス様式の教会
聖チェルソの遺品を祀るため、11世紀に建立されたサン・チェルソ教会が前身。それを母体に15世紀末、ペスト終息の感謝を聖母マリアに捧げるために建造された。ファサード、内部ともに16世紀の彫像と絵画が多く、後期ルネサンスの成熟を見てとれる。左側廊の第一礼拝堂のベルゴニョーネの絵画『幼子キリストへの聖母の礼拝』、身廊祭壇のフォンタナの彫像『聖母』などが見どころだ。

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サンタ・マリア・プレッソ・サン・チェルソ教会の外観

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内部には後期ルネサンスの珠玉の絵画・彫像が集まる

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16世紀に完成したファサードには彫像が多数配され、優美にして壮麗だ

サンタ・マリア・プレッソ・サン・チェルソ教会

現地名:
Chiesa di Santa Maria Presso San Celso
住所:
Corso Italia 37
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アクセス:
メトロ3号線 Missori ミッソーリ駅から徒歩8分
TEL:
02-58313187
営業時間:
7:00~12:00、16:00~18:30
定休日:
無休 

サンテウストルジョ聖堂

ミラノ有数の意匠を誇る礼拝堂
4世紀に聖エウストルジョが創建した教会跡を土台として、中世期に建造された。11〜19世紀に度重なる再建と修復を経ている。ファサードは19世紀に修復され、窓のアーチが美しいネオ・ロマネスク様式。内部では、15世紀建造のルネサンス様式のポルティナーリ礼拝堂、同礼拝堂内の聖ピエトロの生涯を描いたフレスコ画と墓碑が素晴らしい。

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アーチがやさしい表情を醸し出すファサード

サンテウストルジョ聖堂

現地名:
Basilica di Sant'Eustorgio
住所:
Piazza Sant'Eustorgio 1
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アクセス:
メトロ2号線 Porta Genova ポルタ・ジェノヴァ駅から徒歩5分
TEL:
02-89402671
営業時間:
7:00~12:00、15:30~18:30、博物館10:00~18:00
定休日:
無休 

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トラベルデイズ イタリア

  • 発売日:2012年07月02日

筆者 : Fish & Tips

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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ イタリア」です。掲載している情報は、2014年10月〜2015年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。