2017年9月8日

イタリア

ミラノ・マジェンタ地区 ダ・ヴィンチの足跡をたどる

by Fish & Tips

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サン・マウリツィオ教会から、ミラノでも最古の歴史を誇るサンタンブロージョ聖堂へ。そして、ダ・ヴィンチの偉業をサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に訪ねる。

街歩きコース

ミラノの伝統の礎を築いた最古の教会
市街中心地の西側はおもに18世紀以降に発展した区域。しかし、そのなかにもいくつか歴史を物語る建造物が点在し、ぐるりと見てまわることでミラノという街が大切にする伝統が感じられる。

カドルナ・トリエンナーレ駅から南へ向かい、マジェンタ通りを左折。左手にバロック様式のリッタ宮、その向かいにルネサンス様式のサン・マウリツィオ教会がある。ミラノ最大の女子修道院付属教会として16世紀前半に建立、内部が一般向けと修道女向けに区切られた珍しい構造だが、壁や天井を覆うフレスコ画は見応えがある。修道院(現在は市立考古学博物館)脇のサンタニェーゼ通りを進むと、左手にサンタンブロージョ聖堂が見えてくる。ここはミラノ旧市街の最西端をなす一角で、古代ローマ時代の379〜386年にアンブロージョ司教によって殉教者聖堂が建てられ、司教も没後埋葬された。9〜11世紀に大幅に増改築がなされ現在の原型ができ、以降、ミラノでは大聖堂に次ぐ重要な教会とされている。外観の全体はロマネスク様式だが、内部はビザンチン様式の影響が色濃く残っており、とくに黄金祭壇とその上を飾る豪華に彩色された天蓋はこの教会の白眉だ。

ルネサンスの天才ダ・ヴィンチを訪ねて
11世紀に建てられたサン・ヴィットーレ修道院が前身である、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館は、ダ・ヴィンチを知りたいと思う者にとっては必見のポイント。ダ・ヴィンチ・ギャラリーに展示されたさまざまな模型や資料はダ・ヴィンチの非凡さを物語り、あらためてその偉大さに驚嘆させられる。

クライマックスはサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の左、旧ドメニコ会修道院の食堂奥に描かれた『最後の晩餐』。世界中から見学者が殺到するため、予約は絶対不可欠だ。

START

1・2号線 カドルナ・トリエンナーレ駅

↓ 4分

①サン・マウリツィオ教会

16世紀のフレスコ画が素晴らしい教会
1503年にベネディクト修道会の教会として創建され、19世紀にすべての建造が完成した。外観は質素な趣だが、内部はロンバルディア・ルネサンスの粋に触れられる。とくにベルナルディーノ・ルイーニ作のフレスコ画が見事で、身廊右の第3礼拝堂の『聖カテリーナの生涯』などは訪れたら必見の作品だ。

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女子修道院の付属教会として建立。ロンバルディア・ルネサンス建築の代表例。

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教会内部にあるフレスコ画も見逃せない

サン・マウリツィオ教会

現地名:
Chiesa di San Maurizio
住所:
Corso Magenta 13
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アクセス:
メトロ1・2号線 Cadorna カドルナ駅から徒歩4分
営業時間:
9:30~17:30
定休日:
月曜、ほか祝日不定休 

↓ 5分

②サンタンブロージョ聖堂

ロンバルディア・ロマネスク様式の傑作
4世紀末に、のちにミラノの守護聖人となる大司教アンブロージョが創建。9〜11世紀に再建され、ロンバルディア州有数の美しいロマネスク教会となった。内部では主祭壇の天蓋と黄金祭壇が見事。地下には、聖アンブロージョの遺骸を納めるクリプトがある。

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ミラノでも最古の聖堂のひとつ。モザイク画が残る内部は必見。

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サンタンブロージョ聖堂内部は三身廊式をなしている

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正面に大きなアトリウム(柱廊玄関)があるのも特徴だ

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聖堂の中心である、黄金祭壇と天蓋のある主祭壇

サンタンブロージョ聖堂

現地名:
Basilica di Sant'Ambrogio
住所:
Piazza Sant'Anbrogio 15
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アクセス:
メトロ2号線サンタンブロージョ駅から徒歩5分
TEL:
02-86450895
営業時間:
9:30~12:30、14:30~18:00(日曜、祝日は15:00~17:00)
定休日:
無休 

↓ 4分

③レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館

天文学から飛行機にいたるまでのあらゆる技術とダ・ヴィンチの偉業を体感できる。

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レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館

現地名:
Museo Nazionale della Scienza e della Tecnologia, Leonardo da Vinci
住所:
Via S. Vittore 21
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アクセス:
メトロ2号線サンタンブロージョ駅から徒歩5分
TEL:
02-48555558
営業時間:
9:30~17:00(土・日曜、祝日は~18:30)
定休日:
月曜 祝日の場合は開館
Webサイト:
http://www.museoscienza.org

↓ 5分

④サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

ミラノのルネサンス期を代表するブラマンテによる教会建築の傑作
1463〜90年にドメニコ修道会の教会として、晩期ゴシック様式で創建された。完成の2年後に当時のミラノ領主であったスフォルツァ家のルドヴィコ・イル・モーロが、同家の霊廟としての増築を建築家ブラマンテに依頼。このルネサンスの巨匠の設計により、後陣、多角形のクーポラ、中庭付回廊が誕生した。教会を斜め横から見ると、ゴシック様式のファサードと、ブラマンテがルネサンス様式で増築した後陣とクーポラの意匠の違いがよくわかる。赤レンガと白の漆喰が優美な幾何学模様を描くクーポラの外観は、ロンバルディア州のルネサンス建築のなかで最も美しい教会建築とされる。内部は、アーチの柱が連なるこぢんまりとした身廊と、ブラマンテの増築部からなる。クーポラの内部は、白を基調とした幾何学模様が彩り、やさしい調和美が見てとれる。後陣の左手に行くと、アーチの連なりが美しい中庭付回廊に出る。さらに回廊の奥には、聖書の物語を描いた絵などを収めた旧聖具室がある。

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ミラノ・ルネサンス建築の代表的な存在、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

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15世紀末の最大のルネサンス建築のひとつ。後陣の設計はブラマンテによる。

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ファサードは晩期ゴシック様式、後方部のクーポラと後陣はルネサンス様式だ

付属修道院の食堂にダ・ヴィンチの傑作壁画『最後の晩餐』がある
教会の西隣には、教会付属の旧ドメニコ会修道院の食堂がある。その壁面に描かれているのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの大傑作『最後の晩餐』だ。この壁画の制作を依頼したのは、教会の増築をブラマンテに命じたのと同じ、ルドヴィコ・イル・モーロ。ダ・ヴィンチは1495〜98年にかけて修道院にこもり、一人で壁画を完成させた。題材は、『新約聖書』に記されたイエスと十二使徒の最後の晩餐の場面。「使徒のなかに裏切り者が一人いる」というイエスの言葉に、十二使徒が動揺するさまが、高度な遠近法によって描かれた。

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ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』がある旧修道院食堂入口。壁画の見学には予約が必要

20世紀の大修復でよみがえった奇跡の色彩と構図に息をのむ
ダ・ヴィンチは『最後の晩餐』に繊細な光と影を描き込むため、特殊な下地と画材を用いたとされる。こうして大傑作が誕生したが、完成して数年後に下地と画材の配合が原因と思われるカビが発生し、名画を蝕んでいく。修復が何度も繰り返し行なわれたが、色が薄くなった箇所に上塗りを施す作業がほとんどで、そのたびに完成当初の姿から遠のいてしまった。第二次世界大戦中には連合軍の爆撃にさらされたが、修道士たちが壁画を守り抜いた。1970年代には化学分析や物理的検査に基づき、原画の状態を取り戻すための大修復が開始された。この修復は1999年に完成。約500年の長い時を経て、ダ・ヴィンチの傑作壁画は奇跡の色彩を取り戻すことに成功した。

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Last Supper relative size, by A Train, CC BY-ND

見学は完全予約制
見学は日時指定の予約制で、25人ずつ、1回15分のみ入室できる。予約の変更やキャンセルはできない。当日は指定されている時間の20分前までに教会脇の窓口へ行き、予約番号を伝えるか予約確認書を提出する。時間に遅れた場合は入室できない。3カ月前から予約可能。

①電話で予約する
希望日、人数を告げ、時間を決める。予約が取れたらオペレーターから予約番号をもらう。入場料+予約料(合計€8)の支払いはクレジットカード決済のみ(V・M・D・J)。
02-92800360(受付8:00〜18:30、言語選択制、日本語なし)
日曜休

②インターネットで予約する
希望日時を選択し、アカウント登録画面へ。必要項目を記入し、送信。予約が完了すると予約確認書がメールで届く。支払いはクレジットカード決済のみ。
www.cenacolovinciano.net

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見学用のチケット

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

現地名:
Chiesa di Santa Maria delle Grazie
住所:
Piazza S. Maria delle Grazie 2
地図を見る »
アクセス:
メトロ1・2号線カドルナ駅から徒歩8分
TEL:
02-92800360
営業時間:
7:00~12:00、16:00~19:30、最後の晩餐8:15~18:45(閉館は19:00)
定休日:
月曜 

↓ 8分

GOAL

1・2号線 カドルナ・トリエンナーレ駅

移動時間約30分

トラベルデイズ イタリア

  • 発売日:2012年07月02日

筆者 : Fish & Tips

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奥付:
この記事の出展元は「トラベルデイズ イタリア」です。掲載している情報は、2014年10月〜2015年1月の取材・調査によるものです。掲載している情報、商品、料理、宿泊料金などに関しては、取材および調査時のもので、実際に旅行される際には変更されている場合があります。最新の情報は、現地の観光案内所などでご確認ください。